更新2026-10-12

実家じまいの進め方

市街化調整区域の実家(新潟)を売る・建て替えるときの注意|買う人が建てられるか・使用者変更・農地転用

新潟の実家が市街化調整区域にあるとき、売るときと建て替えるときに何を確かめるか。都市計画法の許可、新潟市の既存集落区域の条例、分家住宅などの使用者変更、農地転用、新潟市・長岡市・上越市の窓口を、公式の資料で整理します。

更新日: 2026-10-12/この記事には広告(PR)を含みます。広告について

秋の田のあぜ道に並ぶ並木

**結論:市街化調整区域の実家が売れるかどうかは、「買う人が、そこに住んだり建てたりできるか」で決まります(当サイトの整理)。確かめるのは3点です。実家が調整区域にあるか。実家の土地や建物が、どの扱いか(線引きの前から宅地だった、既存集落区域にある、許可を受けて建てた)。登記簿の地目が農地ではないか。**相続で受け継ぐ人は、新潟市の取扱いでは「一般承継人」として扱われ、許可を受けた人と同じ扱いになります。注意が要るのは、第三者に売って、使う人が変わるときです。最初の一歩は、登記事項証明書と、建築確認通知書や許可書を集めることです。

内容は、2026年10月12日時点の国・新潟県・新潟市・長岡市・上越市の公式ページと資料で確認できたものです。確認できなかった項目は「※確認中」と書きました。許可が必要かどうかは、土地ごとの個別の判断です。この記事は、結果を保証しません。この記事の本文では、特定の会社を推薦しません(「PR」と書いた枠は広告です)。

この記事で分かること

  • 市街化調整区域とは何か、新潟市の空き家はどれだけ調整区域にあるか
  • 自分の実家が調整区域かを確かめる方法
  • 売るときに問題になる「使用者変更」と、使う人が限られる許可(分家住宅など)
  • 買う人が建てられる場合(新潟市の既存集落区域の条例、長岡市・上越市の仕組み)
  • 建て替えの扱いと、農地転用との関係
  • 新潟市・長岡市・上越市などの相談窓口

県外に住む子ども世代が、親の実家を相続した、または相続が近い場面を想定しています。

市街化調整区域とは

都市計画法は、市街化調整区域を「市街化を抑制すべき区域」と定めています(第7条第3項)。反対の市街化区域は、すでに市街地になっている区域と、おおむね10年以内に優先的に市街化を図る区域です(同条第2項)。

新潟市の公式ページは、調整区域について、次のように説明しています。

  • 農業・林業・漁業の用の建築物と、公益上必要な建築物のほかは、原則として許可なく建築できない。
  • プレハブ、コンテナハウス、ユニットハウスなどの簡易な建築物も、同じ。
  • 建築物を建てるときや、既存建築物の用途を変えるときは、事前に区役所の建設課に相談する。

長岡市の資料にも、同じ趣旨の記述があります。調整区域では、許可が不要とされたものを除き、面積の大小に関わらず、開発行為(建築物を建てる目的で土地の区画や形質を変えること)に許可が必要です。開発行為を伴わない既存の宅地での建築にも、建築許可が要ります。

新潟市の空き家は、どれだけが調整区域にあるか

新潟市の空家等対策計画(第3期、令和8年3月改定)は、令和5年の住宅・土地統計調査をもとに、区別の立地を示しています。市内の都市計画区域内の空き家50,070戸のうち、市街化調整区域にあるのは3,760戸(7.5%)です。

区 空き家の戸数 調整区域の空き家 区内の割合
北区 2,940戸 410戸 13.9%
東区 8,250戸 300戸 3.6%
中央区 17,590戸 20戸 0.1%
江南区 2,640戸 470戸 17.8%
秋葉区 3,640戸 430戸 11.8%
南区 1,630戸 770戸 47.2%
西区 10,590戸 340戸 3.2%
西蒲区 2,790戸 1,020戸 36.6%
合計 50,070戸 3,760戸 7.5%

計画は、北区・江南区・南区・西蒲区で、調整区域の空き家の割合が比較的高く、空き家の流通に課題があると推測される、と書いています。南区と西蒲区では、空き家の3分の1強から半分近くが調整区域にあります。

県内のすべての市町村にあるわけではない

調整区域があるのは、市街化区域と調整区域に分けた区域(線引きした都市計画区域)だけです。長岡市の資料では、長岡都市計画区域が線引きで、栃尾と川口の都市計画区域は線引きをしていません。上越市の資料では、柿崎と妙高の都市計画区域は、区域区分を定めていません。都市計画区域の外にある土地もあります。同じ市の中でも、場所によって制度が違います。

自分の実家が調整区域かを確かめる

市 確かめる方法(公式ページの記載)
新潟市 「にいがたeマップ」で、用途地域など都市計画の情報を地図で公開。相談は、土地のある区の区役所建設課
長岡市 「ながおか便利地図(都市計画・立地適正化計画情報)」で閲覧できる。指定区域の確認先の多くは都市政策課
上越市 上越都市計画区域が線引き。集落区域の範囲は、「eマップじょうえつ」で確認できる

地図で市街化調整区域がどう表示されるかは、各市のページで確認できませんでした。※確認中: 市の地図での、市街化調整区域の表示と見方(新潟市は区役所建設課、長岡市は都市政策課) 地図と現在の区域が一致しているかも、窓口で確認してください。調整区域だと分かったら、次の3点を確かめます。

  1. 登記簿の地目(宅地、田、畑、雑種地など)。納税通知書にも書かれています。
  2. 土地が、線引きの前から宅地だったか(既存宅地)。
  3. 建物が、許可を受けて建てられたものか。許可書が手元にあるか。

線引きの日(調整区域が定められた日)は、市で違います。新潟市は、南区・西蒲区が平成23年3月18日、ほかの6区が昭和45年11月16日ほかです(条例のページ)。長岡市は、調整区域に編入される前の日を昭和45年9月1日としています(あらまし)。上越市は昭和59年12月28日で、市街化区域から調整区域に変わった地域は、その変更の日に読み替えます(確認事項のページ)。

許可の仕組み

調整区域で何かをするときの許可は、都市計画法に次の定めがあります(e-Gov法令検索)。

することの内容 許可の根拠 内容
開発行為(建築物のために土地の区画や形質を変える) 第29条 許可を受ける。調整区域は、面積に関わらず対象
開発許可を受けていない土地での建築・改築・用途変更 第43条 許可を受ける(例外あり)。基準は、第34条に準じる
立地の基準 第34条 公益施設、日常の店舗、条例で定めたもの(第12号)、開発審査会の議を経たもの(第14号)など

新潟市・長岡市・上越市では、窓口も許可も市です。第34条第12号は、条例で区域・目的・予定建築物の用途を限って定めたものを許可できる、という規定です。新潟市の「開発行為等の許可の基準に関する条例」は、この第12号に当たります。長岡市も、第11号・第12号について、市の施行条例で区域を指定しています。第14号は、開発審査会の議を経たもので、分家住宅などが当てはまります(新潟市の「市街化調整区域内で可能な開発行為」のページ)。

新潟市は、許可が要らない場合と要る場合を、「市街化調整区域における開発許可等の主な取扱いについて」(Ver.4、令和6年4月)にまとめています。この記事は、おもにこの資料と、条例の運用指針(Ver.3、令和6年4月)、開発審査会付議基準(令和6年4月1日)をもとにしています。

売るときに、最初に確かめること

売るときに問題になるのは、使う人が変わることです。新潟市の取扱い資料は、使う人が変わる場合の扱いを、土地や建物の経緯ごとに分けています。長岡市の資料も、許可は「用途、利用者、土地により個別に判断し限定したもの」で、許可を受けた者以外の第三者が使う場合は、改めて許可が必要になると説明しています。

新潟市の取扱い:実家はどれに当たるか

実家の経緯 使う人が変わるときの扱い(新潟市の取扱い資料・市の案内)
線引きの前から建築物の敷地だった(既存宅地) 外形的に現在の使用目的が変わらなければ、使用者のみの変更は同一用途とみなされ、許可は不要
農家住宅など、人の要件で許可が不要とされて建てた家 使用者の変更は、同一用途ではない。ただし、一般承継人は除く。第三者に売ると、許可が要る場面
開発許可・建築許可を受けて建てた家(分家住宅など) 許可書の用途と同じで、使用者が許可を受けた人と同一(一般承継人を含む)なら不要。使用者が変わるときは、許可が必要(市の案内)
新潟市の条例(第12号)の許可を受けた家 所有者・使用者が変わっても許可は不要。ただし、用途の変更がない場合に限る
法第34条の第1号から第12号で許可された家 同一用途であれば、使用者の変更に許可は不要
既存宅地確認を受け、平成18年5月17日までに建築確認の申請をして建てた住宅 使用者の変更に許可は不要

一般承継人の範囲は、一般承継人(相続人を含む)と、改築や増築をする住宅などに同居している親族(6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族)です。つまり、相続人が相続して使うだけなら、許可が不要になる場合があると読めます。問題は、実家を第三者に売って、その人が使う場合です。実家がどれに当たるかは、区役所の建設課で確認してください。

新潟市の案内ページ「市街化調整区域における開発行為および建築行為について」にも、分家住宅などの許可を得て建築された住宅は、使用者が変わる場合も許可が必要だと書かれています。このページの更新日は2015年4月1日ですが、令和6年4月版の取扱い資料と食い違う記述は見つかりませんでした。

第三者に売るときの許可の基準(新潟市)

許可が要る場合の基準は、開発審査会付議基準にあります。使用者や所有者が変わる場合は、基準の(25)-1と(25)-2です。

  • 対象は、法第34条第13号・第14号などの許可を受けて建てた建築物(分家住宅は第14号)と、農家住宅など許可を要しないものとして建てた建築物。
  • 所有者の死亡・倒産・転勤の事情による場合は(25)-2、それ以外のやむを得ない事情による場合は(25)-1。
  • どちらも、新たに許可を受ける人が、その建築物を自分で使うことが条件です。あわせて、同じ敷地であること、農用地区域でないなど土地利用の調整がとれていることも求められます。

「死亡」が挙がっているので、相続した実家を売る場合は、(25)-2に当たるかを確かめます。当たるかどうかは、市が判断します。

別の基準として、(33)「空き家の用途変更等」があります。居住などの使用がない期間が1年以上(市が確実に空き家になると認める場合は例外)の空き家で、死亡(家族が同居の場合を除く)や、一人暮らしの親が高齢で家族に引き取られた・施設に入った、などの事情があるときに、用途変更や所有者変更を許可できる、という内容です。対象の建築物と、予定建築物の用途には、決まりがあります。

細かい要件は基準の本文にあり、買う人の事情でも変わります。区役所の建設課で確認してください。

経緯の調べ方

  • 建築確認通知書、許可書、検査済証が手元にあるか。
  • 建物登記簿謄本(建物の全部事項証明書)の「原因日付」と、登記の日。
  • 土地登記簿謄本(土地の全部事項証明書)の地目と、宅地になった日。
  • 親や祖父母が、分家や農家として建てた家か(家族に聞く)。

新潟市の取扱い資料では、既存宅地の判定は、原則として、線引きの前から地目が宅地の土地登記簿謄本、建物登記簿謄本、建築確認通知書、既存宅地確認、のいずれかで行います。これらで確認できないときは、線引き前の航空写真や、宅地として農地転用を受けた記録など、複数の資料を使います。固定資産税の課税台帳で、線引きの時点に宅地(コード3)だったかも、市の判断の材料です。

長岡市と上越市の資料

長岡市(開発許可制度のあらまし、令和4年4月1日編集)は、次のように説明しています。市の開発許可制度のページは、確認日の時点で、この資料にリンクしています。

  • 開発許可を受けた人やその相続人が、許可を受けた同一の敷地と用途で建て替えるものは、許可が不要。
  • 許可を受けた人以外の第三者が使う場合は、改めて許可が必要。
  • 許可を受けた区域で、許可を受けた人以外が用途変更や建て替えを行う場合も、別に許可が必要。
  • 宅地かどうかの判断は、原則として土地登記簿謄本で行う。基準日の公的な資料がないものは、判断できない。

長岡市には、買う人が建てられる場合もあります。市の施行条例で指定した集落の区域に、第11号の許可の対象があります。市街化区域から1.1km以内の集落で、建築物45以上が100m以内に連続している区域です。申請時に10年以上、宅地(登記簿の地目が宅地)または宅地状態(課税台帳上、宅地と評価されている土地)だった土地に、戸建住宅、兼用住宅の一部、それらの付属建築物を建てられる場合があります。第12号は、規則で定めた21項目の基準(分家住宅、既存建築物の建て替え・敷地の拡張、用途変更など)に当たるものです。どちらも、災害リスクのある区域は除かれます。区域は、窓口で閲覧できます(令和4年4月1日に見直し)。第三者が買って使うときの基準は、資料に細かく出ていません。※確認中: 長岡市で、第三者が買って使うときの許可の基準(建築・開発審査課の窓口で閲覧)

上越市は、建築許可(法第43条)について、用途の変更や所有者の変更だけの場合でも、許可が必要になることがあると案内しています。開発審査会付議特例措置基準の(21)に、「所有者変更等」の基準があります(令和5年3月14日一部改正)。要点は次のとおりです。

  • 対象は、法に基づく許可を受けて、または許可を要しないものとして建築された後、適正に利用された建築物。
  • 所有者の死亡・倒産・転勤の事情による所有者変更であること。ほかのやむを得ない事情は、個別付議基準の(7)で扱う。
  • 新たに許可を受けようとする人が、その建築物を自ら使うこと。
  • 申請の土地が、以前に許可や建築確認を受けた敷地と同一であること。

細かい要件や例外は、基準の本文にあります。上越市は、集落区域内で、自己の居住の用に供する一戸建ての専用住宅(市のページの表記は「分家・農家を除く」。基準の本文には兼用住宅も挙がっています)を建てる場合の基準(付議特例措置基準の(23))も案内しています。主な要件は、農地なら転用の見込みがあること、敷地面積が500平方メートル以下であること(土地利用上やむを得ない場合を除く)などです。集落区域の範囲は、「eマップじょうえつ」で見られます。開発許可の事前相談は、メールでも受け付けています。

買う人が建てられる場合:新潟市の条例(第12号)

新潟市は、平成26年1月1日に、「新潟市開発行為等の許可の基準に関する条例」を施行しました。農村集落の維持と活性化を図るために、住宅などの建築の許可の要件をゆるめた制度です。市は、これまであった所有期間や居住地などの制限がなくなるため、農村集落への移住が容易になる、と説明しています。

対象の土地

  • 既存集落区域:おおむね50戸以上の建築物で構成され、各建築物の敷地の間の距離がおおむね50メートル以内でつながっている集落。コミュニティが同じなど、50メートル以上離れていても認めている集落もある(運用指針)。
  • 既存宅地:区域区分(線引き)をしたとき、すでに宅地だった土地。集落の規模は問わない。

建てられるもの

区域・用途 要件
既存集落区域の戸建住宅 高さ10メートル以下、敷地面積500平方メートル以下
既存集落区域の店舗等兼用住宅 高さ10メートル以下、敷地面積500平方メートル以下。延べ面積の50%以上が居住用で、店舗や事務所の床面積が50平方メートル以下
既存集落区域の共同住宅(長屋を含む) 階数2以下、敷地面積3,000平方メートル未満
既存宅地 周辺の土地利用や環境保全に支障がなければ、用途の限定なし

注意点

運用指針(令和6年4月、Ver.3)から、売買に関わる点を挙げます。

  • 既存集落区域の中の「空閑地」(建物のない更地)で、まとまった面積が3,000平方メートル以上のものには、条例を適用しません。屋敷の中の畑や庭のように使っていても、地目が雑種地や農地なら、空閑地として扱われます。宅地課税の土地は、空閑地に含みません。
  • 中央区と西区の一部の既存集落区域では、自己用の戸建住宅などに限られ、賃貸はできません。そのほかの既存集落区域では、賃貸も可能です。
  • 条例による許可を受けた建築物は、許可のあとで所有者や使用者が変わっても、許可は不要です(用途変更がない場合)。
  • 既存集落区域は、隣の土地に建物が建っても広がりません。区域の定期的な見直しも、行われていません。
  • 条例の区域でも、地目が農地なら、農地転用が必要です。河川区域や保安林など、ほかの法令の規制も、別に確認が必要です。
  • 自己の居住用以外の住宅を、開発行為で建てる場合の敷地面積は、165平方メートル以上です(法第29条の申請の場合)。

既存集落区域の範囲は、市の条例のページ、区役所建設課、都市計画課で見られます。「にいがたeマップ」にも、「都市計画・開発」の中の「既存集落区域図」として載っています。

災害の区域は、別の扱い

令和4年4月の都市計画法の改正を受けて、新潟市は、条例の適用の除外を追加しました。

  • 災害レッドゾーン(災害危険区域、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、土砂災害特別警戒区域):条例による緩和は適用せず、新たな建築を規制する。
  • 災害イエローゾーン(土砂災害警戒区域、浸水想定区域):引き続き緩和を適用する。ただし、避難場所への避難経路などの確認が要る。

長岡市も、令和4年4月の改正で、自己の居住用の住宅以外の開発行為は、原則として災害レッドゾーンを開発区域に含められなくなったと案内しています。条例で指定する区域からも、災害レッドゾーンや災害イエローゾーン等が、原則として除かれます(確実に避難できる区域は、除外の対象になりません)。ただし、許可が不要な建築物の建て替えなどは、この改正の影響を受けません。また、長岡市の資料は、相談地に災害危険区域、地すべり防止区域、土砂災害特別警戒区域などが含まれるときは、許可できない場合がある、と案内しています。

建て替えの扱い

許可が不要な建て替え(新潟市)

新潟市の取扱い資料は、次のものを許可が不要としています。ただし、自己の居住の用または自己の業務の用の建築物で、使用者自らが建築する場合です。

  • 既存の敷地内で、同じ用途のまま改築(建て替え)や増築をするもの。敷地の増加を伴わないこと。

「既存の敷地」は、次のいずれかに当たる土地です。

  1. 線引きの前から建築物の敷地として使われていた土地(既存宅地)。
  2. 線引きのあと、許可を要せずに建築された建築物の敷地の土地。
  3. 開発許可や建築許可を受けて建築された建築物の敷地で、許可書に書かれた土地。

次の場合は、別に許可が要ります。敷地を広げて増築する場合。用途を変える場合です。新潟市の条例の運用指針は、戸建住宅から店舗兼用住宅に変えることも、用途変更として扱います。

長岡市の資料も、同じ趣旨です。調整区域に編入される前(昭和45年9月1日)から存する建築物の建て替えは、従前と同一の敷地と用途に限られます。住宅以外の建築物で従前の建築面積の1.5倍を超えるものと、敷地を広げるもの(住宅を含む)は、別に許可が必要です。

解体して更地にしたあと、建てられるか

「家を壊すと、建て直せなくなるのか」は、よくある心配です。公式の資料では、市ごとに書き方が違います。

  • 上越市の開発審査会付議基準は、所有者変更等の対象範囲に、現在建築物がない場合も入れています。線引きのときに建築物があった敷地や、許可を受けて建築された後に建築物が除却された敷地が含まれます。
  • 新潟市の取扱い資料と付議基準で、確認できた範囲では、壊した後の更地の扱いと、期間の制限は書かれていません。※確認中: 新潟市で、家を解体して更地にした後の再建築の扱い(区役所建設課・都市計画課)
  • 長岡市の資料にも、更地の扱いは書かれていません。※確認中: 長岡市で、家を解体した後の再建築の扱い(建築・開発審査課)

壊す前に、市の窓口で確認するのが安全です。上越市の基準は、規模・構造・用途を公的な資料などで判断できるものを対象にしています。建築確認通知書や建物の登記事項証明書など、昔の建物の資料は、壊す前に写しを取っておくと安心です。

新築や増築で許可が要るとき

長岡市は、許可の判断が個別の案件によるため、事前相談を求めています。持参する資料の例は、開発計画の概要が分かる資料、土地登記簿謄本の写し(宅地であることを確認できる公的な資料)、周辺の位置図(住宅地図など)です。許可を受ける前に着工することは、できません。

農地転用との関係

実家の敷地や、周りの畑・田が、農地として登記されている場合は、農地法の手続きも必要です。

場面 手続き(新潟市・新潟県の案内)
自分の農地を、農地以外にする 農地法第4条。調整区域は許可、市街化区域は届出
他人の農地を、買う・借りて、農地以外にする 農地法第5条。調整区域は許可、市街化区域は届出
農地を、農地のまま売買・賃貸する 農地法第3条の許可

申請書の提出先は、農地のある場所の農業委員会です(新潟県の案内)。新潟市の窓口は、農業委員会事務局です。転用の許可事務は、新潟市、長岡市、見附市を含む29市町村が、県から権限を移されて行っています(令和6年4月現在、新潟県の案内)。

新潟県の案内では、農地は、次の区分によって、許可の考え方が変わります。

区分 許可の考え方
農用地区域内の農地 原則として不許可
第1種農地(10ヘクタール以上のまとまった農地など) 原則として不許可
甲種農地(調整区域内の、特に良好な営農条件の農地) 原則として不許可
第2種農地(市街化が見込まれる農地など) 既存の宅地や第3種農地に立地できない場合に許可できる
第3種農地(市街化の傾向が著しい区域内の農地) 原則として許可できる

買う人が宅地にする目的で農地を買う場合は、農地法の許可と、都市計画法の許可は、別の手続きです。

登記簿の地目が、現況と違うことがあります。庭や家庭菜園として使っている部分が、農地のままのこともあります。納税通知書と登記事項証明書で、地目を確認してください。農地を相続した場合の届出と、売る・貸す手続きは、次の記事にあります。

売る方法を比べる

方法 向く場面 主な注意点
1. 調整区域であること、許可の経緯を伝えて、仲介・買取で売る 買い手が見つかりそうな場合 最初に会社へ伝える。扱いは会社ごと。公的な価格・期間の目安は確認できず
2. 解体して土地として扱う 建物の傷みが大きい 更地にした後の再建築の扱いは市ごと。壊す前に確認
3. 国に引き渡す、寄附する、管理を続ける 売れない場合 建物がある土地は、国庫帰属の申請ができない(法務省)。新潟市は、建物等が付属する土地の寄附を受けない

1つめは、不動産会社に、仲介(買主を探してもらう)か、買取(会社が買主になる)を頼む方法です。違いと費用、査定の書類は、次の記事にあります。

査定を頼むときは、実家が調整区域にあること、既存宅地や既存集落区域かどうか、許可書があるか、地目が何かを、最初に会社へ伝えてください。国民生活センターは、自宅を不動産業者に売った場合は、クーリング・オフができないと注意しています。実家の売却でも、内容に納得するまで契約しないでください。迷ったときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。

売れないときの選択肢は、次の記事に、費用と期間の比較があります。

空き家バンクに、調整区域の物件を登録できるかは、市町村で違う可能性があります。※確認中: 空き家バンクの登録条件に、市街化調整区域の物件の扱いがあるか(実家のある市町村)

雪国の注意

冬は、空き家の管理が欠かせません。新潟県は、適切に除雪されていない空き家は、落雪や倒壊の危険があると注意しています。空き家の管理は、所有者の責任です。売る前の冬を越すために、次の記事の段取りを使えます。

建物の傷みが大きく、壊すか迷う場合は、前の「解体して更地にしたあと、建てられるか」の確認を先に済ませてください。

進める順番

  1. 登記事項証明書(土地・建物)、納税通知書、建築確認通知書や許可書を集める。名義が故人のままなら、相続登記を先に進める。
  2. 市の地図と窓口で、実家が調整区域かを調べる。
  3. 地目、線引き前から宅地だったか、既存集落区域か、許可を受けた家かを整理する。
  4. 農地の部分があれば、農業委員会の手続きを確認する。
  5. 売るなら、1から4の情報を会社に伝え、複数社の査定を取る。
  6. 買い手が決まったら、買い手に必要な許可を、市の窓口で確認してもらう。
  7. 壊すか迷うときは、壊す前に、更地にした後の再建築の扱いを確かめる。

相続登記は、相続を知った日から3年以内の義務です。次の記事に、期限と手続きがあります。

相談窓口

相談したいこと 窓口 連絡先(各ページの記載)
新潟市の調整区域(建築・用途変更・使用者変更) 土地のある区の区役所建設課 北区025-387-1435、東区025-250-2630、中央区025-223-7410、江南区025-382-4738、秋葉区0250-25-5691、南区025-372-6490、西区025-264-7670、西蒲区0256-72-8570(条例のページ、開発許可制度の問い合わせ先のページ)
新潟市の開発許可制度全般 都市政策部 都市計画課 025-226-2675(開発許可制度の各ページの作成担当欄)。条例のページの問い合わせ欄には、025-226-2825の記載もある
長岡市の開発許可・建築許可 建築・開発審査課 0258-39-2226。許可の要否や可否は個別の案件。事前に相談
長岡市の区域の確認 都市政策課 0258-39-2225(都市計画の指定状況のページ)
上越市の開発許可・建築許可 都市整備課 計画係 025-520-5763。開発許可の事前相談は、メールも可
農地の転用 市の農業委員会事務局。県の農地管理課 農用地調整係 県は025-280-5348。県は、許可の考え方の区分を案内している
不動産の売買 新潟県宅地建物取引業協会、全日本不動産協会 新潟県本部 025-247-1177、025-385-7719(新潟市の相談窓口一覧の記載)

ここに挙げた連絡先は、各ページの記載です。最新の受付時間と相談日は、各窓口で確認してください。

市街化調整区域の実家のよくある質問

Q. 市街化調整区域の実家は、売れますか?

売れるかどうかは、会社と物件により異なります。公的な価格や期間の目安は、確認できませんでした。中心の論点は、買い手が、そこに住んだり建てたりできるかです。調整区域であること、許可の経緯、地目を、最初に会社へ伝えてください。

Q. 相続した人が住み続けるのに、許可は要りますか?

新潟市の取扱い資料では、一般承継人(相続人を含む)は、許可を受けた人と同一の扱いです。相続人が使い続けるだけなら、許可が要らない場合があります。ただし、建物や土地の経緯で扱いが変わります。区役所の建設課に確認してください。

Q. 分家住宅を売ると、どうなりますか?

新潟市の案内では、分家住宅などの許可を得て建築された住宅は、使用者が変わる場合も許可が必要です。審査は、開発審査会付議基準の(25)で行われます。新しく使う人が自分で使うことなどが要件で、所有者の死亡による場合は(25)-2です。当たるかどうかは、市が判断します。買い手の計画で、区役所の建設課に確認してください。

Q. 解体して更地にすると、建て直せなくなりますか?

上越市の基準は、線引きのときに建築物があった敷地を、対象に含めています。新潟市と長岡市は、確認できた範囲で、更地の扱いが分かりませんでした。壊す前に、市の窓口で確認してください。

Q. 買い手が、建物を建て替えたいと言っています。

新潟市では、既存の敷地内で、同じ用途のまま建て替えるものは、自己の居住用などで使用者が自ら建てる場合に、許可が不要です。敷地を広げる、用途を変えるときは、許可が要ります。買い手の計画で、区役所の建設課に事前相談してもらってください。

Q. 県外にいても、手続きを進められますか?

地図での調査と、書類の収集は、県外からでも始められます。窓口の受付方法は、市ごとに違います。県外から進める順番は、次の記事のとおりです。

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