更新2026-10-11

実家じまいの進め方

相続土地国庫帰属制度を新潟で使うには|要件・負担金・申請先と、雪国の山林・農地の注意

相続した土地を国に引き渡せる相続土地国庫帰属制度を、新潟で使うときの要件、審査手数料14,000円、負担金(基本20万円)、申請先の新潟地方法務局の相談予約、雪国の山林・農地・実家の敷地での注意を、法務省と法務局の公式情報で整理します。

更新日: 2026-10-11

田んぼの中の古い農家と土蔵

**結論:相続した土地を国に引き渡せる制度ですが、建物が残っている土地は申請できません。建物を壊したあとなら、申請できます。**費用は、申請時の審査手数料が土地1筆につき14,000円です。承認されると、負担金を納めます。基本は1筆20万円です。ただし、市街化区域・用途地域の宅地や農地、農用地区域内などの農地、森林は、面積に応じて額が変わります。農用地区域内の田1反(991㎡)なら、負担金は112万円です。申請先は、新潟地方法務局の本局だけです。長岡などの支局では受け付けていません。審査は8か月程度かかり、降雪などの天候で延びることがあります。

内容は、2026年10月11日時点の法務省・法務局・裁判所・自治体の公式ページ、法務省の手引き「相続土地国庫帰属制度のご案内(第2版)」(令和7年10月版)、法律の条文で確認できたものだけです。個別の土地が承認されるかは、審査で決まります。この記事は、その判断をするものではありません。確認できなかった項目は「※確認中」と書きました。

この記事で分かること

  • 申請できる人と、申請できない土地・承認されない土地
  • 審査手数料と負担金の額(区分ごとの表つき)
  • 新潟地方法務局の相談予約と、申請書の出し方
  • 山林・農地・実家の敷地で、新潟の人がつまずきやすい点
  • 国庫帰属を使う前に、比べておきたい方法

県外に住んでいても、相談・提出ともに進められます。後半で整理します。

制度の早見表

項目 内容
制度の中身 相続等で取得した土地の所有権を、国に引き渡す。承認を受け、負担金を納めると国のものになる
申請できる人 相続または相続人への遺贈で、土地の所有者になった人。共有の土地は、共有者全員で申請
申請できない土地 建物がある土地、担保権や使用収益権がある土地、他人が使う予定の土地、土壌汚染のある土地、境界が不明確または所有権に争いがある土地
審査手数料 土地1筆につき14,000円(収入印紙)。取下げ・却下・不承認でも返らない
負担金 基本は1筆20万円。市街化区域・用途地域の宅地、農用地区域内などの農地、森林は、面積で額が決まる
申請先 土地のある都道府県の法務局・地方法務局の本局。新潟県は新潟地方法務局の本局
審査期間 標準処理期間は8か月。事案によって超える場合がある。新潟地方法務局は、降雪などの天候でも超えることがあると案内
開始時期 令和5年(2023年)4月27日。それより前に相続した土地も対象

使えるかどうかの早見

読者の状況ごとに、今できることを整理しました。最終的な判断は、法務局の相談と審査で決まります。

状況 今の判断 次にすること
母屋・蔵・納屋などの建物が残っている 申請できない 解体と建物滅失登記のあとに申請する
建物は壊したが、建物の登記が残っている 申請できる土地(手引き) 建物滅失登記を申請する
古い抵当権の登記が残っている 申請できない 抹消登記のあとに申請する
兄弟などの共有者の同意が取れない 申請できない 共有者全員の同意を得る
売買で取得した土地(相続ではない) 原則として使えない 売る・寄附するなど、ほかの方法を比べる
崖、地下の廃棄物、隣地との争いなどがある 審査で承認されない場合がある 法務局の相談で、土地の状況を伝える
上のどれにも当てはまらない 申請できる可能性がある 負担金の額を計算し、法務局の相談を予約する

申請できる人

法務省の説明では、次のとおりです。

  • 相続または相続人への遺贈で、土地を取得した人が申請できます。
  • 売買など、相続以外の原因で取得した人は、原則として使えません。相続で取得できない法人も、原則として使えません。
  • 共有の土地は、共有者の全員が共同で申請します。一人でも同意しなければ、申請できません。共有者の中に、売買など相続以外で持分を得た人がいても、相続で持分を得た人と全員で共同申請できます。
  • 相続登記が済んでいなくても、相続で取得したことを示す書面(戸籍など)を付ければ申請できます。
  • 制度の開始(令和5年4月27日)より前に相続した土地も、対象です。
  • 法定相続人以外への遺贈で取得した土地は、対象外です。

相続登記は別の義務です。期限と手続きは、次の記事にまとめています。

申請できない土地(却下になる5つ)

次のどれかに当てはまると、申請そのものが認められません。審査手数料は返りません。

土地の状態 法務省の説明 新潟で気をつけたい例
建物がある 登記の有無を問わない。取り壊しと建物滅失登記が、原則として必要。すでに壊してあっても、建物の登記が残っていれば、滅失登記が必要 母屋、蔵、納屋、作業小屋。物置のような小さな工作物は、建物に当たらない場合がある
担保権・使用収益権がある 抵当権の登記が残っていると、実体上効力がなくても却下。登記を抹消してから申請する。地上権・地役権・賃借権なども対象。電柱などで土地の一部に地役権がある場合は、申請前に法務局へ相談する 古い抵当権の登記が残る実家の敷地
他人の利用が予定されている 現に道路として使われている土地、墓地内の土地、境内地、水道用地・用悪水路・ため池として使われている土地 集落の水路、私道として使われている部分
土壌汚染がある 基準を超える特定有害物質で汚染された土地。汚染がないことの証明は必須ではない。汚染を疑う事情があれば、追加の資料を求められることがある 汚染を疑う事情があるときは、申請前に法務局の相談で伝える
境界が不明確、または所有権に争いがある 申請者が認識する境界が図面に示され、隣地所有者の認識と違わないことが必要 境界の標識がない山林や田

境界の標識がない場合は、仮杭を設置して境界点が見えるようにし、ポールやプレート、テープなどで目印を付けます。国が管理する範囲を示すためです。測量は不要で、測量図や境界確認書の提出も必須ではありません。ただし、境界確認書があれば、写しの提出が勧められています(Q&A)。申請後に、法務局が隣地の所有者に連絡し、境界の争いがないかを確認します。

自分で境界が分からないときは、申請の前に、土地家屋調査士へ相談する方法があります(法務省の手引き)。

承認されない土地(審査で判断される5つ)

申請できても、審査で次のようなものが見つかると、承認されません。

区分 内容
崖 勾配30度以上かつ高さ5メートル以上で、管理に過分な費用や労力がかかる土地。隣地の危険な崖だけでは、引き取りを妨げない
地上にある物 工作物、車両、樹木などが管理や処分を妨げる土地。例は、果樹園の樹木、民家・公道・線路の近くにあって倒れるおそれのある枯れ木、定期的な伐採が必要な竹、補修が必要な治山の工作物、建物でない廃屋、放置車両。森林に樹木があるだけでは、妨げに当たるとは限らない
地下にある物 除去しないと管理や処分ができない物。例は、産業廃棄物、瓦などのがれき、建物の基礎、古い水道管、浄化槽、井戸、大きな石。広い土地の片隅にある小規模な配管などは、除去しなくてよいとされる
隣地との争い 袋地などで公道への通行が現に妨げられている、不法に占有されている、隣地から生活排水などが継続して流れ込む、別荘地の管理費を請求されるおそれが高い、など
その他 土砂崩れや陥没など、災害防止の工事が要る土地。人・農産物・樹木に被害を出す動物(スズメバチ・ヒグマなど)が生息する土地(軽微なものを除く)。適切な間伐や造林がされておらず、国の整備が必要な森林。国が通常の管理費用以外の金銭債務を負う土地

細かな扱いは、次のとおりです(法務省のQ&A)。

  • 切り株や電柱は、一般には過分な費用を要する工作物に当たりません。
  • 現在も使える水道管やガス管は、地下の除去が必要な物に当たらない場合があります。
  • 地下に物がないことを示す書面は、提出が必須ではない書類です。
  • イノシシやクマが出るかもしれない、という抽象的な可能性だけなら、引き取りの妨げにはなりません。人などに被害が出る可能性が高い場合は、引き取れない土地になります。
  • 土砂災害警戒区域に入っているというだけで、不承認と判断されるわけではない、と手引きにあります。災害の危険は、実地調査などで総合的に見られます。

費用:審査手数料と負担金

審査手数料

土地1筆につき、14,000円です。申請書に収入印紙を貼って納めます。複数筆をまとめて申請しても、軽くなりません。取下げ、却下、不承認、負担金を納めなかった場合のいずれでも、返りません。

負担金

承認されたあとに納める、10年分の標準的な管理費用に当たるお金です。納めるのは1回だけです。土地は、宅地・農用地・森林・その他の4つに分けられ、区分で額が決まります。客観的な事実(提出書類、関係機関への照会、実地調査)で判断されます。

区分 原則 面積で増える場合
宅地 20万円(面積に関係なし) 市街化区域、または用途地域の指定がある地域の宅地
農用地(農地) 20万円(面積に関係なし) 市街化区域・用途地域内の農地、農業振興地域の農用地区域内の農地、土地改良事業等の施行区域内の農地
森林 面積に応じて算定 下の表のとおり。最も小さい区分でも、21万円以上になる
その他(雑種地、原野など) 20万円(面積に関係なし) なし

面積は、登記記録上の地積が基準です。現況の面積で計算したいときは、地積更正または地積変更の登記をして、変更後の記録を基準にする方法があります。

以下は、法務省の手引き(第2版)の表です。1,000円未満は切り捨てです。

宅地(市街化区域・用途地域の指定がある地域)

面積 負担金の算定 例
50㎡以下 面積×4,070円+208,000円 50㎡で411,000円
50㎡超100㎡以下 面積×2,720円+276,000円 100㎡で548,000円
100㎡超200㎡以下 面積×2,450円+303,000円 200㎡で793,000円
200㎡超400㎡以下 面積×2,250円+343,000円 400㎡で1,243,000円
400㎡超800㎡以下 面積×2,110円+399,000円 800㎡で2,087,000円
800㎡超 面積×2,010円+479,000円 1,000㎡で2,489,000円

農用地(農用地区域内などの農地)

面積 負担金の算定 例
250㎡以下 面積×1,210円+208,000円 250㎡で510,000円
250㎡超500㎡以下 面積×850円+298,000円 500㎡で723,000円
500㎡超1,000㎡以下 面積×810円+318,000円 1,000㎡で1,128,000円
1,000㎡超2,000㎡以下 面積×740円+388,000円 2,000㎡で1,868,000円
2,000㎡超4,000㎡以下 面積×650円+568,000円 4,000㎡で3,168,000円
4,000㎡超 面積×640円+608,000円 5,000㎡で3,808,000円

手引きには、尺貫法の参考もあります。1反(991㎡)で1,120,000円、1町(9,917㎡)で6,954,000円です。

森林

面積 負担金の算定 例
750㎡以下 面積×59円+210,000円 750㎡で254,000円
750㎡超1,500㎡以下 面積×24円+237,000円 1,500㎡で273,000円
1,500㎡超3,000㎡以下 面積×17円+248,000円 3,000㎡で299,000円
3,000㎡超6,000㎡以下 面積×12円+263,000円 6,000㎡で335,000円
6,000㎡超12,000㎡以下 面積×8円+287,000円 12,000㎡で383,000円
12,000㎡超 面積×6円+311,000円 50,000㎡で611,000円

隣り合う複数の筆で、土地の区分が同じなら、1つの土地とみなして負担金を計算するよう申し出ることができます。たとえば、宅地と農地、市街化区域内の宅地と区域外の宅地の組み合わせは使えません。田と畑のように、同じ農用地の区分なら使えます。申出は、すでに申請している隣地の所有者どうしが共同で、申請書を出してから承認されるまでの間に、申請した法務局の本局へ行います。面積に応じて額が変わる区分では、面積を合計して計算します。

自分の土地が、どの区分で、いくらになるかは、法務省のページにある自動計算シートで確認できます。※確認中: 自分の土地の負担金額(法務省「負担金の算定」の自動計算シート)

総額のイメージ

審査手数料と負担金の合計の例です。手引きの表から計算しました。建物の解体、測量、書類作成などの費用は含みません。筆が増えると、手数料も負担金も筆の数だけ増えます(合算の申出で軽くなる場合を除く)。

土地の例(1筆) 審査手数料 負担金 合計
面積で増える条件に当たらない田・畑(面積に関係なし) 14,000円 200,000円 214,000円
農用地区域内の田 1反(991㎡) 14,000円 1,120,000円 1,134,000円
森林 3,000㎡ 14,000円 299,000円 313,000円
森林 12,000㎡ 14,000円 383,000円 397,000円
市街化区域・用途地域の外の宅地(建物なし) 14,000円 200,000円 214,000円
市街化区域の宅地 200㎡ 14,000円 793,000円 807,000円

納付の方法

  • 承認の通知と一緒に、負担金の額と納入告知書が届きます。
  • 通知が届いた日の翌日から30日以内に、納入告知書を添えて日本銀行(本店・代理店・歳入代理店)へ納めます。
  • 法務局へ現金を持って行っても、受け取ってもらえません。分割払いもできません。
  • 共有の土地は、代表者1人が納入告知書を受け取り、まとめて納めます。
  • 30日以内に納めないと、承認は失効します。同じ土地を引き渡したいときは、最初から申請し直します。
  • 負担金を納めた時点で、土地の所有権が国に移ります。国への移転登記は、国が行います。

ほかにかかるお金

審査手数料と負担金のほかに、次のような費用が出ることがあります。

  • 建物の解体費と、建物滅失登記の費用
  • 境界の目印や、地積更正登記などの費用
  • 登記事項証明書、印鑑証明書などの取得費
  • 書類づくりを弁護士・司法書士・行政書士に頼む場合の報酬
  • 承認されて負担金を納めるまでの、土地の管理(草刈りなど)。それまでは、申請者に管理の責任があります(Q&A)
  • 現地調査のために、草刈りや投棄物の撤去を頼まれることがあります(手引き)
  • 固定資産税。国への登記が翌年1月1日までに終わらないと、翌年分は申請者が払います。12月に承認された場合は、登記が1月になることがあります(手引き)

解体費の公的な相場は、確認できませんでした。見積もりの見方は、次の記事にあります。※確認中: 解体・測量・書類作成の費用の公的な目安

申請の流れ(新潟の場合)

順番 やること 補足
1 土地の資料を集める 登記事項証明書、地図や公図、地積測量図、現況写真、固定資産税の納税通知書
2 事前に相談する 新潟地方法務局の本局に、予約して相談する(下の「申請先と相談の予約」)
3 申請書と添付書類をつくる 本人が作る。家族が手伝える。弁護士・司法書士・行政書士は、書類作成を代行できる
4 本局へ提出する 窓口か郵送
5 審査を受ける 書面調査、関係機関への照会、実地調査。追加の資料を求められることがある
6 承認の通知と、負担金の通知を受ける 却下・不承認の場合は、その通知が届く
7 30日以内に負担金を納める 日本銀行へ。納めた時点で国のものになる

添付書類

法務省のページで、全員に必要なものは次の4つです。

  1. 土地の位置と範囲を示す図面
  2. 隣地との境界点を示す写真
  3. 土地の形状を示す写真
  4. 申請者の印鑑証明書

そのほか、次の書類が場合によって要ります。

  • 申請者と登記簿上の名義人が違うとき(相続登記が未了など):相続等で承継したことを示す書面(戸籍、遺産分割協議書など)
  • 遺贈で取得したとき:遺贈を受けたことを示す書面
  • 任意:固定資産評価証明書、境界などに関する資料

書類は、審査が終わったあとに返してもらえる場合があります。返却を希望するときは、原本と相違ない旨を書いた謄本を、原本と一緒に出します。印鑑証明書などは返りません。

提出の方法

  • 窓口:承認申請者本人か、法定代理人が行きます。使者として、家族が持参することもできます。使者は、その場で申請書を訂正できません。
  • 郵送:「国庫帰属申請書在中」と書いた書留郵便か、レターパックプラスで、土地のある法務局の本局へ送ります。送る前に、できるだけ法務局で事前確認をしてもらうよう、手引きに書かれています。
  • 任意の代理人による申請は、認められていません。代理が認められるのは、成年後見人などの法定代理人だけです。

提出後に、申請書の内容の確認や現地調査の連絡が、電話などで来ることがあります。転居や長期不在で連絡先が変わるときは、法務局へ必ず連絡します。

審査の途中で亡くなった場合・売却先が見つかった場合

  • 審査が終わる前に申請者が亡くなったときは、相続等があった日から60日以内に申出をすると、手続きを続けられます。申出がないと、却下されます。
  • 申請後に売却先が見つかったときは、売る前に法務局へ連絡し、取下げの手続きをします。取り下げないまま売ると、申請の権限がなくなり、却下されます。

申請先と相談の予約(新潟地方法務局)

項目 内容
申請先 新潟地方法務局の本局
所在地 〒951-8504 新潟市中央区西大畑町5191番地 新潟地方法務総合庁舎
代表電話 025-222-1561
支局の扱い 申請も相談も、支局・出張所では受け付けない
標準処理期間 8か月。申請内容や降雪などの天候により、超える場合がある(新潟地方法務局)

長岡市、上越市、三条市など、どの市町村の土地でも、申請先は同じ本局です。

事前相談の予約

相談は、予約制です。予約がないと、相談を受けられません(法務省の手引き)。

  • 方法は3つです。窓口での対面、電話、ウェブ会議です。
  • 予約は、法務局手続案内予約サービスから、24時間申し込めます。または、本局に電話します(025-226-0951、平日8時30分〜17時15分)。窓口は、本局1階の不動産登記部門です。
  • 相談は1回30分で、延長できません。予約は1人1日1件です。予約時間に10分以上遅れると、キャンセル扱いです。
  • 土地の所有者だけでなく、家族や親族も相談できます。ただし、相談者に関係のない土地は扱えません。
  • 土地が遠方にあり、新潟まで行けない場合は、お近くの法務局の本局でも相談できます。ただし、個別の内容まで答えられない場合があります。

相談の前に、次の3点を用意します(法務省)。

  1. 相続土地国庫帰属相談票
  2. チェックシート(土地の状況を書くもの)
  3. 土地の資料や写真(登記事項証明書、地図や公図、地積測量図、現況写真、固定資産税の納税通知書など)

電話・ウェブで資料を見ながら相談したいときは、事前に郵送かメールで資料を送ります。送った資料は返ってきません。写しを送ってください。

相談で聞いてもらえる内容は、引き渡せそうかの確認と、書類に漏れがないかの確認です。担当者の見解は、持参した資料の範囲での見解です。承認を保証するものではありません。実地調査の結果、違う判断になることもあります。申請書の作成は、法務局の職員は行いません。

雪国の山林・農地・実家の敷地で気をつけること

審査期間と、雪の時期

標準の審査期間は8か月です。新潟地方法務局は、天候(降雪)などの理由で超えることがあると案内しています。

申請には、境界点と土地の形状の写真が要ります。境界点の写真がない場合は、現地で撮影する必要があります(法務省Q&A)。雪が積もっていると、境界点の位置が分かりにくく、撮影が難しいことが考えられます。ただし、冬の写真撮影や現地調査の扱いは、法務省と新潟地方法務局の公式ページに記載がありません。雪解けのあとに撮影し、提出の時期を決める進め方も、一つの選択肢です。※確認中: 冬季の現地調査・写真撮影の扱い(新潟地方法務局の国庫帰属の案内ページには記載なし)

実家の敷地(蔵・納屋・庭)

  • 母屋だけでなく、蔵、納屋、作業小屋が敷地にあれば、解体が先です。建物ごとに、滅失登記も要ります。壊したあとも建物の登記が残っていれば、滅失登記が必要です。物置のような小さな工作物は、個別に判断されます。
  • 地下の井戸、浄化槽、古い水道管、建物の基礎は、除去が必要な物に当たることがあります。
  • 民家や道路の近くで倒れそうな枯れ木、手入れが要る竹、放置した車両は、承認されない例に挙がっています。
  • 解体の届出と手続きは、次の記事にあります。

農地

  • 農地も申請できます。国庫帰属のために、農地法第3条の農業委員会の許可を取る必要はありません。事前に、農地のある市町村の農業委員会へ相談することもできます(法務省のQ&A)。
  • 土地改良区の賦課金など、国が通常の管理以外に金銭債務を負う土地は、金額にかかわらず引き取れません。審査が終わるまでに債務をなくせば、引き取れる可能性があります。
  • 農地バンク(農地中間管理機構)の中間管理権が設定された農地も、具体例に挙がっています(農林水産省)。
  • 農用地として使われている土地は、周辺の営農条件に著しい支障が現に出ているかが見られます。
  • 農業振興地域の農用地区域内など、面積で決まる条件に当たる農地は、1反(991㎡)で1,120,000円です。ほかの農地は、20万円です。田んぼが何筆もある家では、合計額が大きくなります。
  • 農地の届出、売る・貸す・転用する手続きは、次の記事にまとめています。

山林

  • 森林も申請できます。
  • 森林経営管理法の経営管理権が設定された森林は、設定を解いてから申請します。
  • 人工林は、適切な間伐などが行われているかが見られます。天然林は、標準伐期齢に達しているかが見られます。
  • 森林の負担金は、面積で決まります。最も小さい区分でも、21万円以上です。
  • 崖(勾配30度以上かつ高さ5メートル以上で、管理に過分な費用や労力がかかるもの)、補修が必要な治山の工作物、民家・公道・線路の近くで倒れそうな枯れ木が、承認されない例に挙がっています。森林に樹木があるだけでは、承認されないとは限りません。山あいの土地では、現地の確認が大切です。
  • 土砂災害警戒区域に入っているだけでは、不承認とは判断されないと、手引きにあります。
  • 山林を相続したときの市町村への届出は、前掲の記事にあります。

隣地・道・水路

  • 袋地などで、公道への通行が現に妨げられている土地は、承認されないことがあります。
  • 隣地から生活排水などが続けて流れ込み、土地の使用に支障が出ている場合も、承認されないことがあります。
  • 水路やため池として使われている土地は、申請できません。
  • 隣地の所有者が境界に異議を述べると、却下の対象になります。境界を調整して争いがなくなれば、承認されることも考えられます(法務省Q&A)。

国庫帰属を使う前に、比べておくこと

方法 費用・条件の概要 公式に確認できたこと
国庫帰属 審査手数料14,000円+負担金。建物は解体が先 本記事のとおり
売る 買い手が見つかれば、負担金は要らない 長岡市は、複数の不動産業者に査定を頼むよう案内している
市町村への寄附 市ごとに基準が違う 新潟市は、建物が付属する土地を受け付けない。将来に多額の維持管理費が要るおそれのない土地などが基準。事前相談できる
個人への寄付 贈与の登記が要る 長岡市のページは、司法書士への相談を案内している
農地として使い続けてもらう 農地のみ 法務省の手引きは、農地の利活用の相談先として、農地のある市町村の農業委員会事務局を挙げている。農地中間管理機構などへの確認も例に挙がっている
相続放棄 3か月以内に、家庭裁判所へ申述 放棄すると、被相続人の権利も義務も引き継がない
管理を続ける 毎年の管理費、税、雪の対応 新潟県は、空き家(建物)の管理は所有者の責任と案内している

相続放棄は、土地だけを選んで放棄する手続きではありません。裁判所の案内ページに、土地だけを選んで放棄する手続きの説明は、見当たりませんでした。申述の期間は、自分のために相続が開始したことを知った時から3か月以内です。判断の材料が足りないときは、期間を延ばす申立てができます。放棄を考えているときは、遺品や財産を処分する前に、専門家へ相談してください。

売れない土地の全体の選択肢は、次の記事で比べています。

承認されなかったとき

  • 却下や不承認の理由をなくせば、もう一度申請できます。
  • 却下や不承認に不服があるときは、審査請求ができます。期限は、処分を知った日の翌日から3か月以内です。
  • 偽りその他不正な手段で承認を受けたことが分かると、承認が取り消され、損害賠償の責任を負うことがあります(法務省)。

新潟の国庫帰属制度のよくある質問

Q. 実家の建物を残したまま、土地を引き渡せますか?

引き渡せません。現に建物がある土地は、登記の有無にかかわらず申請できません。解体と建物滅失登記が、原則として必要です。

Q. 長岡の法務局支局で、申請や相談はできますか?

できません。申請も相談も、新潟地方法務局の本局が窓口です。支局・出張所では受け付けていません。土地が遠方にあるときは、お近くの本局でも相談できます。

Q. 相続登記をしていなくても、申請できますか?

申請できます。相続等で取得したことを示す戸籍などを添付します。登記は別の義務です。期限は、相続を知った日から3年以内です。

Q. 兄弟で相続した土地の場合、一人でも申請できますか?

共有の土地は、共有者の全員で申請します。一人でも同意しないと、申請できません。

Q. 負担金は、必ず20万円ですか?

いいえ。宅地・農地・森林は、条件により面積で増えます。農用地区域内などの農地は、1反(991㎡)で1,120,000円です。森林は、面積で決まり、21万円以上です。市街化区域または用途地域の宅地も、面積で決まります。それ以外の宅地・農地と、その他の土地は、20万円です。

Q. 審査にどれくらいかかりますか?

標準処理期間は8か月です。新潟地方法務局は、申請内容や降雪などの天候で、超える場合があると案内しています。

Q. 県外に住んでいます。新潟まで行かないとだめですか?

申請は郵送でできます。窓口へは、家族が使者として持参することもできます。相談は、電話やウェブ会議でも受けられます。予約は、法務局手続案内予約サービスで取れます。ただし、境界点の写真がないと、現地で撮影する必要があります。

Q. 司法書士や行政書士に頼まなくても、申請書は作れますか?

本人が作れます。家族が手伝うこともできます。弁護士・司法書士・行政書士は、書類の作成を代行できます。法務局の職員は、申請書の作成を行いません。頼むかどうかは、本人が決めます。当サイトは、専門家を紹介して紹介料や報酬を受け取ることはありません。

Q. 承認されたあと、土地の登記は自分でしますか?

国が行います。申請者が登記を申請する必要はありません。

次に読む

出典

確認日はすべて2026年10月11日です。

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市町村ごとの粗大ごみの料金・申し込み・持ち込み先

実家のある市町村を選ぶと、粗大ごみの料金表、持ち込み施設、空き家の解体補助金を確認できます。

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