実家じまいの進め方
相続した農地は10か月、山林は90日以内に届出|新潟の田畑・山林・蔵の手放し方
新潟の農家型の実家で、相続した農地は農業委員会へ届出、山林は市町村へ90日以内。農地を売る・貸す・転用する手続き、農地バンク、国庫帰属、蔵・納屋の片付けまでを公式情報で整理します。
更新日: 2026-10-09/この記事には広告(PR)を含みます。広告について

**結論:農地は農業委員会へ、山林は市町村へ、相続したあとに届出をします。**農地は、権利を取得したと知った時点からおおむね10か月以内です。山林は、所有者になった日から90日以内です。農地は、自由には売れず、貸せず、転用もできません。許可か届出が要ります。国に引き取ってもらう制度は、農地も山林も申請できます。ただし、納屋や蔵など建物がある土地は申請できません。
制度の内容は、2026年10月9日時点の公式ページで確認したものだけを書いています。税金や法律の細部は、専門家と窓口へ確認してください。
父が亡くなったら、まずやる順番(魚沼市の例)
県外に住む長男が、魚沼市の実家の田んぼ、山、土蔵を前に、何から手を付けるかの順番です。期限があるものを先に並べます。
| 順 | やること | 期限 | 出す先 |
|---|---|---|---|
| 1 | 相続放棄をするか決める。決める前に、蔵の中身や農機具を処分しない | 相続を知ったときから3か月以内 | 家庭裁判所 |
| 2 | 田・畑・山林・建物の一覧をつくる | 期限なし(以後の土台) | 納税通知書と登記事項証明書 |
| 3 | 山林があれば、所有者の届出を出す | 所有者となった日から90日以内 | 魚沼市 農林整備課 林政係(025-793-7740) |
| 4 | 農地があれば、相続の届出を出す | 知った時点からおおむね10か月以内 | 魚沼市 農業委員会事務局(025-793-7981) |
| 5 | 相続税の申告が要るか確かめる | 亡くなったことを知った日(通常は死亡の日)の翌日から10か月以内 | 被相続人の住所地の税務署 |
| 6 | 相続登記を申請する | 相続を知った日から3年以内 | 法務局 |
| 7 | 農地・山林・建物の手放し方を比べる | 届出のあと | 農業委員会、新潟県農林公社、法務局 |
兄弟が複数いて、遺産分割が決まらないときは、山林は法定相続人の共有として先に届け出ます(新潟県)。登記の扱いは、次の記事を見てください。
放置したときの代償は、あとの章にまとめています。農地を耕さず放っておくと、固定資産税が上がる場合があります。
この記事で分かること
- 父が亡くなったあとにやる順番と、期限(魚沼市の例)
- 相続した農地・山林の届出と、その期限
- 農地を売る・貸す・転用するときの許可と、農地バンクの使い方
- 農地・山林は国庫帰属制度で手放せるか
- 蔵・納屋・作業小屋の中身と建物の扱い
- 農地・山林の固定資産税の一般論
- よくある質問
田畑や山林、土蔵、納屋、作業小屋、農機具がそろった実家は、新潟では珍しくありません。住まいの空き家とは、手続きの順番が違います。農地と山林は、まず届出です。そのあとで、手放し方を比べます。住まいの建物の売却や解体は、次の記事を先に読んでください。
手続きの早見表:農地・山林・建物
| 手続き | いつまでに | 出す先 | 先に確認すること |
|---|---|---|---|
| 相続登記(農地・山林とも) | 相続を知った日から3年以内。義務化前に相続した土地は令和9年3月末まで | 法務局 | 名義が亡くなった方のままでないか |
| 農地の相続の届出(農地法3条の3) | 取得を知った時点からおおむね10か月以内(農林水産省の処理基準) | 農地のある市町村の農業委員会 | 長岡市・魚沼市のページには期限の記載がありません |
| 山林の所有者の届出(森林法) | 土地の所有者となった日から90日以内 | 山林のある市町村 | 現況が森林か。地域森林計画の対象か |
| 農地を売る・貸す(農地法3条) | 契約の前 | 農業委員会(許可) | 買い手・借り手が農業を続けるか |
| 農地を転用する(農地法4条・5条) | 工事や契約の前 | 農業委員会。市街化区域内は届出 | 農用地区域か、市街化区域か |
| 農地バンクに貸す・売る | 市町村や公社の受付による | 新潟県農林公社。市町村・農業委員会も窓口 | 農用地区域内か。面積の条件 |
| 国庫帰属の承認申請 | 建物を解体したあと | 新潟地方法務局の本局 | 建物・担保権・境界の問題がないか |
詳しくは、次の各章で説明します。
先に確かめること:名義と、土地の一覧
名義(相続登記)
相続登記は、令和6年4月1日から義務化されています。農林水産省の農地相続のページは、義務化の前に相続した土地も対象と案内しています。期限は令和9年3月末までです。
名義が亡くなった方のままだと、売る・貸す・国に引き渡すのどれも進みません。
相続登記の登録免許税は、通常は土地の価額の1000分の4です。価額が100万円以下の土地は、令和9年3月31日までの登記が非課税です。申請書に、根拠として「租税特別措置法第84条の2の2第2項により非課税」と書きます。書かないと、免税を受けられません(法務局)。
登記の流れは、次の記事にまとめています。
土地の一覧をつくる
農家型の実家は、土地が何筆にも分かれていることがあります。固定資産税の納税通知書(課税明細書)と、登記事項証明書で、地番・地目・面積を一覧にします。
一覧には、次の3つを分けて書きます。
- 農地(田・畑)
- 山林
- 建物のある土地(母屋・蔵・納屋・作業小屋)
農地か山林かで、出す先と期限が違います。建物のある土地は、あとの国庫帰属で外れます。どの土地がどれに当たるかが分からないときは、市町村の窓口で確認してください。
田んぼを、誰が耕していたか
亡くなった父が自分で耕していたのか、近所の人が作っていたのか、誰かに貸していたのかで、次の手が変わります。
- 貸していた、作業を頼んでいた相手がいるときは、先に連絡先と条件を確かめます。
- 農地バンクに貸していた農地は、貸借の契約が相続人に引き継がれます(農林水産省)。賃料の支払先の変更は、農地バンクに確認します。
- 農地バンクの借受けが設定された農地や、土地改良賦課金が課されている農地は、国庫帰属を申請できません(農林水産省)。賦課金の有無は、土地改良区に確認します。
誰も耕していない田んぼがあるときは、早めに農業委員会へ相談します。耕さないまま放置すると、固定資産税が上がる場合があります(後述)。
農地を相続したら:農業委員会への届出
届出の中身
農地を相続しても、農業委員会の許可は要りません。代わりに、農地法3条の3による届出が要ります。農林水産省は、農地の所在地の農業委員会へ届け出るよう案内しています。
期限は、法律では「遅滞なく」です(農地法第3条の3)。農林水産省の処理基準は、これを、権利を取得したことを知った時点からおおむね10か月以内としています。
新潟市の公式ページは、次のとおり案内しています。
- 権利を取得したことを知った日から10か月以内に、農業委員会へ届出書を出す
- 様式は「農地法第3条の3の規定による届出書」
- 窓口は、農地を所管する農業委員会事務局の各事務所
新潟市の農業委員会の事務所は、北・中央(東区・中央区・江南区)・秋葉・南・西・西蒲の各区にあります。
長岡市と魚沼市は、届出書の様式を市のサイトに載せています。2市のページには、期限の記載がありません。国の処理基準が目安になります。
- 長岡市農業委員会事務局:0258-39-2243
- 魚沼市農業委員会事務局:魚沼市小出島910番地、025-793-7981
届出書には、農業委員会によるあっせんの希望の有無を書く欄があります(農林水産省の様式例)。地元を離れていて手入れができないときは、農業委員会が、管理の相談や借り手探しを手伝います(農林水産省のリーフレット)。
届出をしないとどうなる
届出をしない、または虚偽の届出をすると、10万円以下の過料の対象です(農地法69条)。
届出は、相続登記とは別の義務です。農林水産省も、届出と登記はそれぞれ法律で義務づけられていると案内しています。
税金の注意:相続税の納税猶予
農林水産省は、自分で農業を営む場合や、農地バンクに貸し付ける場合に、相続税の納税の一部が猶予される制度があると案内しています。長岡市は、納税猶予の特例を受けている人が農地を売る・貸すときは、事前に相談するよう案内しています。
猶予を受けるか、すでに受けているかは、売る・貸すを決める前に確かめます。可否は、税務署や税理士へ確認してください。
農地を売る・貸す・転用する
売る・貸す:農地法3条の許可
農地を農地のまま売る、または貸すには、農業委員会の許可が要ります(農地法3条)。許可を受けないでした売買や貸借は、効力を生じません(農地法3条6項)。
つまり、買い手や借り手が、農業を続ける人であることが前提です。長岡市が示す3条許可の基準は、6つの場合に当てはまると許可できない、という形です。主なものは次のとおりです。
- 買い手や借り手が、すべての農地を効率的に使って耕作する、と認められない
- 農作業に常時従事する、と認められない
- 周辺の農地の効率的な利用に支障が出るおそれがある
詳しい条件は、農業委員会事務局へ確認してください。
長岡市では、許可の申請を毎月受け付けています。許可書は、毎月29日(予定)の農業委員会総会の議決後に交付されます。長岡市の案内には、農地法による売買では、譲渡所得や登録免許税、不動産取得税の軽減はない、と書かれています。
空き家バンクは、農地の売買に使えないことが多いです。長岡市は、売買の物件について、土地の地目が農地(田または畑)以外であることを条件にしています。
転用する:農地法4条・5条の許可
農地を宅地や駐車場、資材置き場などにするには、転用の許可が要ります。自分の農地を自分で使うなら4条です。人に売る、貸すために転用するなら5条で、売主と買主が共同で申請します。
新潟県の案内は、次のとおりです。
- 申請書は、農地のある市町村の農業委員会へ出す
- 許可事務は、県から市町村に移されている。令和6年4月現在、29市町村。新潟市、長岡市、見附市も含まれる
- 農用地区域内の農地と、第1種農地は、原則として許可されない
長岡市の案内では、市街化区域内の農地は、事前に農業委員会へ届出書を出せば、許可は要りません。市街化区域の外では、許可が要ります。長岡市は、許可の申請を、事前に農業委員会事務局へ相談してから出すよう案内しています。申請書の受付締切は、毎月10日です。
自分の農地がどの区域にあるかは、農業委員会で確認できます。
農地バンク(新潟県農林公社)に貸す・売る
農地バンクは、農地中間管理機構の通称です。所有者から農地を借り受けて、農業を担う人に貸し付けます。新潟県では、公益社団法人 新潟県農林公社が担っています(北陸農政局)。
令和7年4月から、農地の貸し借りは、農地バンクを経由する方法に一本化されました。農地法第3条の許可による方法は、引き続き使えます(農林水産省)。
農林水産省のよくある質問では、貸す側の特徴を次のように示しています。
- 借り手は、地域計画に位置づけられた人から決まる。自分で借り手を探さなくてよい
- 賃料は、農地バンクが受け取り、所有者に支払う
- 借賃は、出し手・受け手・農地バンクの三者で協議して決める
- 貸付の期間は、10年以上でも10年未満でも、農地バンクとの調整で決める
- 遊休農地や、地域計画の外の農地は、借り受けられない場合がある
- 共有の農地は、2分の1を超える持分の人の同意があれば、農地バンクが借り受けられる
農地バンクが借り受けた農地の所有者が亡くなったときは、貸借の契約が相続人に引き継がれます。出し手の変更の手続きは、農地バンクに確認します。
税の軽減措置もあります(農林水産省のよくある質問、令和8年4月1日以降)。
- 貸した場合:所有農地の全部を同じ年に、10年以上の期間で貸すと、固定資産税が3年間2分の1(地域計画ごと)
- 売った場合:農用地区域内の農地で、農地バンクの促進計画による譲渡は800万円、買入協議による譲渡は1,500万円の譲渡所得の特別控除
農地バンクの相談先は、次の3つです。
- 市町村の担当課
- JAなどの農地利用集積円滑化団体
- 新潟県農林公社の農地中間管理事業課(新潟市中央区新光町15-2、025-285-8442)
長岡市の案内は、次のとおりです(長岡市の例)。
- 売買は、農業振興地域の農用地区域内の農地で、合計1,000平方メートル以上が対象
- 売買の買受者の要件として、次の3つが並んでいる
- 認定農業者
- 経営面積10,000平方メートル以上
- 半径500メートル以内に、購入地を含め10,000平方メートル以上の団地を形成
- 売買の受付は毎月。8月と9月の申込は、10月申請として処理される
- 売買では、譲渡所得から800万円が控除される。登録免許税は1000分の20から1000分の10、不動産取得税は価格から3分の1の軽減
- 所有権の移転登記は、新潟県農林公社が行う。手数料がかかる
- 貸借は、市街化区域以外の農地が対象。申込は毎月末が期限。貸借の期間は、原則10年(5年以上)
買受者の要件の3つの組み合わせは、農業委員会事務局へ確認してください。新潟市の受付条件は、市の農業委員会と公社で確認してください。※確認中: 新潟市内の農地の貸借・売買の受付条件
農地の手放し方の比べ方
| 方法 | 向く場面 | 条件・制限 | 公式に出ている費用・税 |
|---|---|---|---|
| 近所の農家に売る・貸す(3条許可) | 農地として使い続けてほしい | 買い手・借り手が農業を続ける。長岡市の3条許可の基準は6つの不許可事由 | 長岡市:農地法による売買の税の軽減はない |
| 農地バンクに貸す | 借り手を自分で探せない | 借り手は地域計画に位置づけられた人。遊休農地や地域計画の外は借り受けられない場合がある。長岡市は市街化区域以外が対象 | 賃料は協議。所有農地の全部を同年に10年以上貸すと、固定資産税が3年間2分の1(令和8年4月1日以降) |
| 農地バンクに売る | 農用地区域内で、まとまった面積がある | 長岡市:農用地区域内、合計1,000平方メートル以上 | 譲渡所得の特別控除は800万円または1,500万円(農水省)。登記は公社が行い、手数料がかかる |
| 転用して売る・貸す(5条) | 宅地・駐車場などの需要がある | 農用地区域内農地・第1種農地は原則不許可 | 申請の費用は※確認中: 農業委員会の手数料の有無 |
| 国庫帰属 | 売れず、貸せず、持て余す | 建物がない土地。相続で取得した土地。共有地は共有者全員で申請 | 審査手数料14,000円(1筆)。承認後に負担金(基本20万円) |
| 持ち続ける | 方針が決まるまで | 固定資産税は毎年1月1日の所有者に課税。耕作せず放置すると、課税が強化される場合がある(後述) | 土地改良賦課金が課されている農地がある |
向き不向きは、土地の場所と面積で変わります。選ぶ前に、農業委員会へ相談してください。
耕さずに持ち続けると
耕作せずに放置した農地は、固定資産税が上がる場合があります(農林水産省「遊休農地の課税の強化」)。
- 対象は、農業委員会が農地バンクとの協議を勧告した、農業振興地域内の遊休農地です。
- 農地バンクへ貸す意思を表明すれば、勧告は行われません。貸付けに至らなくても同じです。
- 通常の農地の評価額には0.55をかけます。勧告を受けた農地には、これをかけません。結果として1.8倍になります。
- 遊休農地が解消されたときや、農地バンクが借り受けたときは、勧告が撤回されます。
農業委員会から意向調査の書面が届いたら、放置せず、貸すか、耕すか、返事をします。
山林を相続したら:森林の土地の所有者届出
届出の中身
山林を相続したら、市町村へ届出が要ります。林野庁と新潟県の案内は、次のとおりです。
- 売買や相続などで森林の土地を新たに取得した人は、面積に関係なく届け出る
- 期限は、土地の所有者となった日から90日以内
- 届出先は、土地のある市町村(長)
- 対象は、地域森林計画の対象となっている森林。県内の国有林を除くほぼ全域
- 登記上の地目ではなく、現況が森林なら、届出が必要になる可能性が高い
- 国土利用計画法の土地売買の届出を出している場合は、不要
相続登記をしたかどうかは関係ありません。
遺産分割が90日以内にまとまらないときは、新潟県の案内によると、法定相続人の共有として一度届け出ます。分割協議が整った日に、改めて届出をします。
必要な書類
- 届出書
- 登記事項証明書(写しも可)など、権利を取得したことが分かる書類の写し
- 土地の位置を示す図面
令和8年4月から、届出書の様式が改正されました。所有者の国籍等を書く欄が加わっています。提出前に、市町村の最新の様式を確認してください。
窓口は、山林のある市町村です。
- 長岡市:農林整備課 林業係、0258-39-2224
- 魚沼市:産業経済部 農林整備課 林政係、025-793-7740
魚沼市のページは、届出書の様式をExcelなどで載せています。他市町村にある山林は、その市町村に届け出ます。
届出をしないとどうなる
届出をしない、または虚偽の届出をすると、10万円以下の過料の対象です(森林法213条)。
山林を手放す方法
山林の売却先を探す公的な窓口は、今回の確認では見つかりませんでした。※確認中: 新潟県内の山林の売却相談窓口。手放す方法として確認できたのは、次の国庫帰属制度です。
農地・山林は国庫帰属制度で手放せるか
相続土地国庫帰属制度は、相続で取得した土地を、国に引き渡す制度です。法務省のQ&Aは、農地も森林も承認申請ができるとしています。
申請できる人と、申請できない土地
申請できるのは、相続や遺贈で土地を取得した人です。売買で自分で取得した土地は、基本的に対象外です。制度の開始(令和5年4月27日)より前に相続した土地も、対象です。
共有で相続した土地は、共有者の全員が共同で申請します。兄弟の一人でも同意しないと、申請できません(法務省)。
法務省の案内では、次の土地は申請できません。
- 建物がある土地(登記の有無を問わない)
- 担保権や使用収益権が設定されている土地
- 他人の利用が予定されている土地
- 土壌汚染されている土地
- 境界が明らかでない土地。所有権の存否や範囲に争いがある土地
農林水産省の農地相続のページは、農地について、次の土地も例に挙げています。
- 農地バンクの中間管理権が設定された土地
- 土地改良賦課金が課されている土地
建物がある土地は申請できないため、納屋、蔵、作業小屋が建っている土地は、解体してからの申請です。土地の管理や処分を妨げる物が地上にある土地も、引き取りの対象外です。ハウスやコンクリート物が残る土地は、先に撤去が要るか窓口で確認します。
農地と山林で気をつけること
- 農地: 農地は農業委員会が権利調整をしているため、事前に農業委員会へ相談することもできます(法務省Q&A)。農用地として使われている土地は、周辺の営農条件に著しい支障が現に生じているかが見られます。
- 山林: 森林経営管理権が設定されたままだと、申請できません。申請前に解除が必要です。人工林は間伐などの実施状況、天然林は標準伐期齢に達しているかで見られます。
- 原野商法の土地: 原野商法関連の土地というだけで、制度が使えないことはありません。
費用
- 審査手数料は、土地1筆につき14,000円です。申請時に収入印紙で納めます。取下げ・却下・不承認のどの場合も返りません。
- 承認されたら、10年分の管理費に相当する負担金を納めます。基本は20万円です。
- 市街化区域などの宅地や農地、森林は、面積に応じて20万円以上になることがあります。農用地区域などの田畑も、面積に応じて算定されます。
自分の土地の負担金は、法務省の自動計算シートで確認できます。※確認中: 自分の土地の負担金額。
申請先
申請先は、土地のある都道府県の法務局の本局です。新潟県は、新潟地方法務局の本局(新潟市中央区西大畑町5191番地、代表025-222-1561)です。
蔵・納屋・作業小屋の中身と、建物の扱い
先に確認すること
蔵や納屋の中身は、片付ける前に、次の2点を確かめます。
- 相続放棄を考えていないか。考えているなら、処分する前に専門家へ相談します。
- 価値のあるものが混じっていないか。
相続放棄は、遺品を処分すると認められなくなる場合があります。放棄の申述は、相続の開始を知ったときから3か月以内です。判断の材料が足りないときは、期間を延ばす申立てができます(裁判所)。放棄をすると、被相続人の権利や義務を一切受け継ぎません。農地や山林だけを選んで放棄する手続きは、裁判所の案内にありません。詳しくは、次の記事を読んでください。
農機具
農機具の扱いは、市と使い方で変わります。
- 新潟市:分別早見表は、農機具を粗大ごみとしています。ただし、農家が使っていた物は排出禁止物です。
- 長岡市:農機具を、市の収集処理の対象にしていません。
- 魚沼市:分別表の「収集できないごみ」に、タイヤ、石・土砂・泥などがあります。農機具、ハウスビニール、ブロックは、分別表のページに載っていません。エコプラント魚沼の廃棄物対策係(025-792-3055)に確認します。
魚沼市の粗大ごみの出し方は、十日町市・魚沼市・南魚沼市の粗大ごみの出し方 を見てください。
農業などの事業で出た物は、産業廃棄物になります。新潟県は、産業廃棄物を、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法令で定める20種類としています。
市ごとの違いと窓口は、次の記事に詳しく書いています。
古い家財、道具、骨董
蔵には、古い箪笥、膳、器、掛け軸、農具などが残っていることがあります。捨てる前に、売れるものがないかを確かめます。買取店の選び方と、出張買取の注意は、次の記事にあります。
自分で片付ける手順は、次の記事を参考にしてください。
蔵や納屋は、広く、暗く、足場が悪いことが多いです。屋根や床が傷んでいるときは、中に入らず、業者へ相談します。
農業用ハウスとコンクリート物
- ハウスのビニール: 長岡市の「市では収集処理できないもの」に、家庭菜園用のプラスチック類として、ハウスビニールが載っています。市の収集には出せません。農林水産省は、農業生産に由来する使用済みプラスチックの適正処理について、通知を出しています。回収の窓口と料金は、地域のJAや市町村で変わります。※確認中: 新潟県内の農業用ビニールの回収窓口と料金
- コンクリート物: 長岡市は、コンクリート成型品(物干し台、ブロック、側溝、重石など)を、収集処理の対象にしていません。新潟市は、コンクリートブロックを粗大ごみ(100円)で収集します。
- 建物の解体で出るもの: 新潟県は、工作物の新築、改築、除去に伴って生じたものを、産業廃棄物の「がれき類」の例に挙げています。納屋や土蔵を壊すときは、見積もりに、コンクリートや瓦の処分費が入っているかを確認します。
燃やす、埋めるで済ませる前に、市町村の窓口へ相談してください。
蔵・納屋・母屋の解体
建物がある土地は、国庫帰属を申請できません。解体費の考え方、補助金、滅失登記は、次の記事にあります。
固定資産税:農地・山林の一般論
固定資産税は、毎年1月1日に土地を所有している人が納めます(長岡市の案内)。登記上の所有者が1月1日より前に亡くなっている場合は、相続人が納税義務を引き継ぎます。相続登記が済んでいないときは、相続人の代表者が「現所有者(相続人代表者)申告書」を出します。
総務省は、土地を田・畑・宅地・山林などの地目ごとに評価するとしています。農地は、使い方や場所によって、評価と課税の仕組みが異なる場合があります。※確認中: 実家の農地の区分(一般農地か市街化区域内か)
農地を転用したり、建物を解体したりすると、土地の評価が変わることがあります。解体と税の関係は、次の記事にまとめています。
個別の税額と地目の扱いは、市町村の資産税の窓口で確認してください。※確認中: 自分の農地・山林の課税地目と税額
決め方の目安
正解は1つではありません。次の順で整理します。
- 名義を確かめる。相続人で、農地と山林を誰が引き継ぐかを話し合う。
- 農地は農業委員会へ、山林は市町村へ、届出を出す。
- 土地を、農地・山林・建物のある土地に分け、手放し方を比べる。
- 蔵・納屋の中身は、価値の確認、相続放棄の判断、処分の順で進める。
- 建物を壊すかを決める。壊すなら、国庫帰属はその後。
県外から通えない場合は、冬の雪も判断材料です。母屋や蔵の雪下ろしは、次の記事を読んでください。
新潟の農地・山林の相続のよくある質問
Q. 相続した農地を届け出ないと、どうなりますか?
10万円以下の過料の対象です(農地法69条)。期限は、法律では「遅滞なく」です。農林水産省の処理基準は、取得を知った時点からおおむね10か月以内としています。新潟市も、権利を知った日から10か月以内と案内しています。
Q. 相続した農地は、誰にでも売れますか?
誰にでも売れるわけではありません。農地のまま売るには、農業委員会の許可が要ります。買い手が農業を続けることが前提です。許可なしの売買は、効力を生じません。農地以外にする場合は、転用の許可か届出が別に要ります。
Q. 相続した山林の届出は、いつまでに、どこへ出しますか?
土地の所有者となった日から90日以内に、山林のある市町村へ届け出ます。面積は関係ありません。遺産分割が間に合わないときは、法定相続人の共有で届け出て、協議が整ったら改めて届け出ます。
Q. 農地や山林は、国に引き取ってもらえますか?
相続土地国庫帰属制度で、農地も山林も承認申請ができます。ただし、建物がある土地は申請できません。共有の土地は、共有者の全員が共同で申請します。審査手数料は1筆14,000円で、承認後に基本20万円の負担金がかかります。市街化区域などの農地や森林は、面積に応じて額が増えることがあります。
Q. 農機具やハウスのビニールは、市で出せますか?
新潟市は、農機具を粗大ごみとしていますが、農家が使っていた物は排出禁止物です。長岡市は、農機具もハウスビニールも収集処理の対象にしていません。農業で使った物は産業廃棄物になることがあります。処分先の窓口は、市町村やJAへ確認してください。
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出典
- 農林水産省「農地相続ポータル」 https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/nouchi_souzoku.html(確認日: 2026-10-09)
- 法務局「相続登記の登録免許税の免税措置について」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000017.html(確認日: 2026-10-09)
- 農林水産省「農地法関係事務に係る処理基準について」(第5 法第3条の3関係) https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/nouchi_seido/pdf/sk.pdf(確認日: 2026-10-09)
- 農林水産省「農地の相続等の届出のお願い」(リーフレット) https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/pdf/souzoku_todoke.pdf(確認日: 2026-10-09)
- 農林水産省「遊休農地の課税の強化」 https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/attach/pdf/yukyu-59.pdf(確認日: 2026-10-09)
- 農林水産省「農地中間管理機構(農地バンク)」 https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/kikou/nouchibank.html(確認日: 2026-10-09)
- 農林水産省「農地中間管理機構(農地バンク)よくあるご質問」 https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/kikou/shitumon.html(確認日: 2026-10-09)
- 農林水産省 北陸農政局「農地中間管理機構」 https://www.maff.go.jp/hokuriku/keiei/kikou.html(確認日: 2026-10-09)
- 農林水産省「プラスチック資源循環(農業生産)」 https://www.maff.go.jp/j/seisan/pura-jun/index.html(確認日: 2026-10-09)
- 林野庁「森林の土地の所有者届出制度」 https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/todokede/index.html(確認日: 2026-10-09)
- 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00457.html(確認日: 2026-10-09)
- 法務省「相続土地国庫帰属制度 Q&A」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00459.html(確認日: 2026-10-09)
- 法務省「負担金の算定」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00471.html(確認日: 2026-10-09)
- 新潟地方法務局「相続土地国庫帰属制度」 https://houmukyoku.moj.go.jp/niigata/page000001_00234.html(確認日: 2026-10-09)
- e-Gov法令検索「農地法」第3条・第3条の3・第69条 https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=327AC0000000229;article=3 (確認日: 2026-10-09)
- e-Gov法令検索「森林法」第10条の7の2・第213条 https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=326AC1000000249;article=10_7_2 (確認日: 2026-10-09)
- 総務省「固定資産税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_15.html(確認日: 2026-10-09)
- 新潟県「農地転用許可制度(農地法第4条・第5条)」 https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/nochikanri/1356880151107.html(確認日: 2026-10-09)
- 新潟県「森林の土地の所有者届出制度」 https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/chisan/1329339640595.html(確認日: 2026-10-09)
- 新潟県「産業廃棄物の種類と具体例」 https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/shigenjunkan/1356775798905.html(確認日: 2026-10-09)
- 新潟市「死亡後の手続き」 https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/todokede/kosekinado/sibou_tetsuduki.html(確認日: 2026-10-09)
- 新潟市「分別早見表(50音順)の」 https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/gomi/gomishigen/gomidasi/niigata/chart/no.html(確認日: 2026-10-04)
- 新潟市「粗大ごみ品目別料金一覧」 https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/gomi/gomishigen/gomidasi/niigata/ryoukinichiran.html(確認日: 2026-10-04)
- 公益社団法人 新潟県農林公社「農地中間管理事業」 http://www.nochibank-niigata.com/(確認日: 2026-10-09)
- 国税庁「相続税の申告と納税」(タックスアンサー No.4205) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm(確認日: 2026-10-09)
- 裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html(確認日: 2026-10-09)
- 魚沼市「農地の相続等に関する届出」 https://www.city.uonuma.lg.jp/page/2762.html(確認日: 2026-10-09)
- 魚沼市「森林の土地の所有者届出制度について」 https://www.city.uonuma.lg.jp/page/2252.html(確認日: 2026-10-09)
- 魚沼市「ごみの分け方(分別表)」 https://www.city.uonuma.lg.jp/page/2041.html(確認日: 2026-10-09)
- 長岡市「農地を売買・貸借したい」(3条許可の基準を含む) https://www.city.nagaoka.niigata.jp/shisei/cate04/nougyou/nouchi-urikai.html(確認日: 2026-10-09)
- 長岡市「農地を転用したい」 https://www.city.nagaoka.niigata.jp/shisei/cate04/nougyou/tenyou.html(確認日: 2026-10-09)
- 長岡市「農地の貸し借り・売買・転用等の手続きは農業委員会へ」 https://www.city.nagaoka.niigata.jp/sangyou/cate04/seido/tetsuduki.html(確認日: 2026-10-09)
- 長岡市「農林業(届出書様式)」 https://www.city.nagaoka.niigata.jp/download/cate15/(確認日: 2026-10-09)
- 長岡市「森林の土地の所有者届出制度について」 https://www.city.nagaoka.niigata.jp/sangyou/cate04/seido/shinrin-syoyu.html(確認日: 2026-10-09)
- 長岡市「固定資産税」 https://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/cate02/kotei/kotei.html(確認日: 2026-10-09)
- 長岡市「市では収集処理できないもの」 https://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/cate08/dekinai-gomi.html(確認日: 2026-10-09)
- 長岡市「空き家物件登録」 https://www.city.nagaoka.niigata.jp/akiya/btouroku.html(確認日: 2026-10-09)