新潟の実家売却で測量が要るかは契約の形で変わる|境界の明示は売主の役目と、立会いを断られたときの進め方
新潟の実家を売る前の境界確認と測量を整理。公簿売買でも売主に境界の明示義務があること、隣家が立会いを断ったときのADR・筆界特定、新潟地方法務局・調査士会・新潟市・長岡市・上越市の窓口を公式情報で確認しました。
更新日: 2026-10-19/この記事には広告(PR)を含みます。広告について

**結論:実家を売るときに測量が必要かどうかは、売買契約を「公簿売買」にするか「実測売買」にするかで変わります。ただし、公簿売買でも、売主には境界を買主に明示する義務があります(都道府県監修の「不動産売買の手引」)。**隣家が立会いを断ったときは、新潟県土地家屋調査士会のADR(裁判によらない話し合いの手続き)や、法務局の筆界特定制度といった道があります。**最初の一歩は、法務局で登記事項証明書・地積測量図・公図を取り、現地で境界標(杭やプレート)の有無を確かめることです。**そのうえで、売却を頼む不動産会社に、契約をどちらの形にするかを相談します。
内容は、2026年10月12日時点の法務省・法務局・e-Gov(民法)・国税庁・日本土地家屋調査士会連合会・不動産適正取引推進機構・新潟県・新潟市・長岡市・上越市・新潟県土地家屋調査士会の公式ページで確認できたものだけです。測量の費用は、公的な相場が見つからなかったため、条件つきの参考値だけを載せます。確認できなかった項目は「※確認中」と書いています。法律と税の個別の判断は、土地家屋調査士・司法書士・弁護士・税理士に確認してください。この記事の本文では、特定の会社や事務所を推薦しません(「PR」と書いた枠は広告です)。
この記事で分かること
- 「境界」の2つの意味(筆界と所有権の境)
- 公簿売買と実測売買の違いと、売主の義務
- 測量は、売り出す前と、契約したあとのどちらでするか
- 売る前に取る書類と、現地で見る点
- 測量にかかる費用の考え方(公的な相場の有無)
- 隣家が立会いを断ったときの5つの道
- 水路・里道(市の管理地)が隣にある場合の窓口(新潟市・長岡市・上越市)
- 新潟県内の相談先
県外に住む50代の子ども世代が、親の実家を相続した、または相続が近い場面を想定しています。
「境界」には2つの意味がある
境界の話が噛み合わない原因は、「筆界」と「所有権の境」を混ぜていることが多いです。法務省の筆界特定制度の説明を整理します。
| 用語 | 意味 | 変えられるか |
|---|---|---|
| 筆界 | 土地が登記されたときに、その土地の範囲を区切るものとして定められた線 | 所有者どうしの合意などでは変更できない(法務省) |
| 所有権の境(所有権界) | 所有権が及ぶ範囲 | 筆界と一致することが多いが、一致しない場合もある |
筆界特定制度は、筆界の位置を明らかにする制度です。所有権がどこまであるかを決めるものではありません(法務省)。隣の家が自分の敷地にはみ出して建っているような、所有権の範囲の争いは、筆界特定では解決しません。
測量が要るかは、契約の形で変わる
不動産適正取引推進機構が編集し、都道府県が監修する「不動産売買の手引 令和8年度版」(2026年6月掲載の最新版。前の令和6年度版も同じ記載でした)の契約書の参考例に、2つの形が載っています。
| 契約の形 | 内容 | 売主がすること |
|---|---|---|
| 実測売買 | 実際に測った面積で、代金を精算する | 売主の責任と負担で、隣地所有者などの立会いを得て、測量士か土地家屋調査士に実測図を作成させ、引渡しまでに買主に渡す。参考例では、売主は地積更正登記(登記簿の面積を直す登記)の責任を負わない |
| 公簿売買 | 登記簿の面積で売る。実測と差が出ても精算しない | 参考例は実測して精算する形で、公簿売買にするときは「実測と差が出ても精算しない」旨の条文になる。ただし、売主には境界を明示する義務がある |
参考例の第3条は、売主は買主に、引渡しのときまでに、現地で隣地との境界を明示する、と定めています。手引きの注記は、公簿売買であっても売主には境界を明示する義務があるとしています。
決済の前の確認事項には、「境界の確認」が入っています。売主に境界標などを示してもらい、買主が境界を確認する流れです。契約の前までに、隣地との境界のトラブルがないかを確かめておくことも大事、と書かれています。
契約書に「売主は隣地の境界承諾書を買主に交付する」といった、引渡しまでに行う義務を書く場合もあります。この義務を守れなかった場合は、契約の債務不履行です。履行できない可能性があるなら、その場合の対応を契約書に定めておくよう、手引きは勧めています。
つまり、境界が不確かな実家では、次の順に考えます。
- 境界標があり、隣地との認識が一致しているか。
- 契約を公簿売買にするか、実測売買にするか。
- 売主が「引渡しまでに境界を明示する」ことを守れるか。守れない事情があるなら、契約の前に不動産会社へ伝える。
測量は、売り出す前でなくてもよい
参考例の流れでは、実測図は、契約を結んだあと、引渡しのときまでに買主へ渡す形です。売り出す前に測量を終えていないと売れない、という決まりではありません。いつ、誰の負担で測るかは、契約で決める事項です。参考例は、売主の責任と負担としています。
売り出す前に費用を出すか、契約後の引渡しまでに測るかは、不動産会社と相談して決めます。ただし、隣家が立会いを断りそうな実家では、「引渡しまでに実測図を渡す」と約束すると、守れなくなるおそれがあります。この事情は、媒介契約を結ぶ段階で伝えておくのが安全です。
買取の会社に出す場合も、測量図や境界の資料を求められるかは、会社ごとに違います。公式の一覧は確認できませんでした。詳しくは 新潟の空き家を買い取ってもらうには にまとめています。
売る前に集める書類と、現地で見る点
法務局で取る書類
法務局では、登記事項証明書(土地・建物)、地図証明書、地積測量図などの図面証明書を取れます。オンラインの請求(かんたん登記・供託申請)で、郵送か窓口受取を選べます(法務局)。窓口受取でも、収入印紙では手数料を納められません。手数料の金額は、請求前に法務局で確認してください。
| 書類 | 見るところ |
|---|---|
| 登記事項証明書(土地) | 地番、地目、地積(面積)、所有者。名義が亡くなった方のままでないか |
| 地図証明書(公図) | 土地の形と、隣の土地との並び |
| 地積測量図 | 過去に測量した図面があるか。あれば、境界標の位置や辺の長さ |
地積測量図がある土地は、境界を確認した記録があります。ただし、古い図面は、いまの現地と合わないことがあります。
現地で見ること
売る前に、現地で次の点を写真に残します。
- 境界標(コンクリート杭、金属プレートなど)の有無と位置。雪や草で見えなくなっていないか。
- ブロック塀、フェンス、生け垣、側溝の位置。
- 隣地との高低差や、越境している物(枝、塀、屋根)。
「塀のところが境界」と思い込んでいても、図面と合わない場合があります。決めつけず、図面と照らします。
地籍調査が済んでいるか
地籍調査は、市町村などが、土地の所有者・地番・地目・境界を調べて、正確な地図と簿冊を作る調査です。国・県・市町村が費用を負担し、個人の負担はありません(新潟県)。調査後の地籍図には、明確な境界線と正確な土地の位置が載り、境界問題の解決や土地取引の安心に役立つ、と県のページにあります。実家のある地区が済んでいるかは、市町村で確認します。※確認中: 実家のある地区の地籍調査の状況(市町村の担当課) 県の窓口は、農地部 農村環境課(025-280-5370)です。
測量の費用と期間
境界の確認と測量の費用は、公的な相場が確認できませんでした。日本土地家屋調査士会連合会は、報酬は2003年8月の自由化により、事務所ごとに決められる、と説明しています。費用は「報酬」と「実費」(収入印紙代、交通費、境界杭の費用など)に分かれます。
参考として、連合会の「土地家屋調査士 報酬ガイド」(2025年度アンケート、税抜)に、土地の売買のための地積更正登記の例があります。道路と隣接する民有地との筆界確認を含む設定です。報酬には、調査・測量の作業のほか、法務局への登記の申請も含まれます。
| 業務の例 | 全国平均(税抜) | 中央値(税抜) | ガイドの設定の条件(抜粋) |
|---|---|---|---|
| 土地の地積更正登記(土地売買のため) | 441,391円 | 421,000円 | 市街地の宅地、更正後の地積180平方メートル、申請土地1筆と隣接地6筆の調査、道路と隣接民有地との筆界確認、既設のコンクリート杭2か所、新設の境界標3か所(金属標2・コンクリート杭1)、事務所から現場まで約4km、登記所まで約6km |
| 土地の分筆登記(参考) | 482,028円 | 461,415円 | 市街地の宅地、公簿地積264平方メートル、隣接地5筆の調査、境界標の新設あり |
この金額は、境界確定測量の相場ではありません。条件が違えば、金額も動きます。同じガイドの標準偏差(ばらつき)は、地積更正登記で約15万円でした。事務所によって金額が大きく違うということです。前回の2022年度アンケートでは、同じ設例の平均が390,316円で、調査年によっても変わります。
ガイドは、現地の状況や隣地との関係、相続登記が終わっていないことなどで、費用と時間が変わると説明しています。見積りだけで判断せず、現地の状況を説明して相談するよう、勧めています。ガイドには全国を8つに分けたブロックごとの集計もあるとされ、新潟県は関東ブロックの区分です。ただし、ブロック別や新潟県内の金額は、確認できませんでした。
測量の期間も、公的な目安は確認できませんでした。隣地の数、立会いの調整、官有地(市道、水路など)の確認で変わります。
費用の負担には、民法に次の定めがあります(e-Gov法令検索)。
- 境界標の設置は、隣地の所有者と共同の費用で設けることができる(第223条)。
- 境界標の設置と保存の費用は、隣り合う土地の所有者が等しい割合で負担する。ただし、測量の費用は、その土地の広さに応じて分担する(第224条)。
条文が定めているのは、境界標の設置と保存の費用です。売るために売主が行う測量の費用を、隣家に分けてもらえるかは、条文からは読み取れません。個別の判断は、調査士か弁護士に確認してください。
売主が売るために行う測量の費用は、譲渡所得の計算では「譲渡費用」に入ります(国税庁 No.3202)。税の個別の扱いは、税務署か税理士に確認してください。
隣家が立会いを断ったとき
境界を確認する測量では、隣地の所有者の立会いが基本です。日本土地家屋調査士会連合会のガイドも、調査業務に、隣地所有者や市町村などとの立会いによる境界の確認を含めています。立会いを断られたときの道を、順に並べます。
| 順番 | 道 | 概要 | 費用・期間(公式で確認できたもの) |
|---|---|---|---|
| 1 | 土地家屋調査士に相談する | 図面や現地の資料を整理して、立会いを頼む。調査士が隣地所有者に説明する | 新潟県土地家屋調査士会 025-378-5005(要予約) |
| 2 | 民法の「隣地使用」 | 境界標の調査や測量のために、必要な範囲で隣地を使える。境界について隣地の所有者の同意を得る手続きは、条文にはない | 事前の通知が必要。損害があれば償金を請求される |
| 3 | 調査士会のADR | 相手方との話し合いを支える。相手方の協力がないと調停はできない | 申立手数料は2万円(税別)。受付面談は無料 |
| 4 | 筆界特定制度 | 法務局が筆界の位置を特定する。隣地の所有者には通知される | 手数料は土地の価格で決まる。測量費の概算額を予納。期間は法務局ごと |
| 5 | 裁判 | 筆界特定の結果に納得できないとき、裁判で争える | 公的な目安なし |
断られた事情で、向く道が変わります。話し合いに応じる余地がある場合は、調査士から改めて頼むか、ADRが選択肢です。話し合いに応じない、連絡が付かない場合は、相手方の協力が要らない筆界特定が候補になります。所有権の範囲そのものを争う場合は、筆界特定の対象外です。ADRか裁判になります。
1. 土地家屋調査士に相談する
新潟県土地家屋調査士会の電話は025-378-5005です。調査士は常駐していません。相談は事前予約制で、予約の受付は平日8時30分から17時です。新潟市の空き家の相談窓口一覧(更新2026年8月7日)にも、同じ番号が載っています。団体のサイトには、「境界が分からない場合の相談」の案内があります。実家の地域の調査士は、同会サイトの会員検索で、市町村ごとに探せます(掲載は2026年9月30日時点。当サイトが特定の事務所を勧めるものではありません)。
同会は、調査士が資料や現況をもとに境界を判断し、隣地所有者に説明する、としています。筆界特定の申請で、調査士が代理人になることもあります。
相談では、法務局で取った書類と、現地の写真を見せます。次の点を聞いておくと、見通しが立ちます。
- 立会いを依頼する手順と、隣地の所有者が亡くなっている場合の扱い。
- 実測売買と公簿売買のどちらで売る場合に、何を用意しておくか。
- 見積もりの内訳(報酬と実費)。
2. 民法の「隣地使用」は、立入りの規定
民法第209条は、土地の所有者が、境界標の調査や、境界に関する測量のために、必要な範囲で隣地を使える、と定めています。
- 住家には、居住者の承諾がなければ立ち入れない。
- 使う日時・場所・方法は、隣地の所有者と使用者に損害が最も少ないものを選ぶ。
- あらかじめ、目的、日時、場所、方法を通知する。事前の通知が難しいときは、使い始めた後に遅滞なく通知する。
- 隣地の所有者などが損害を受けたときは、償金を請求できる。
条文に書かれているのは、測量のための隣地の使用です。境界について、隣地の所有者の同意を得る手続きは、条文には書かれていません。立ち入りの前に、調査士に手順を相談してください。
3. 調査士会のADR(境界紛争解決支援センターにいがた)
新潟県土地家屋調査士会が、境界の紛争を扱うADR機関「境界紛争解決支援センターにいがた」を置いています。法務省が認証した紛争解決事業者で、扱うのは新潟県内の土地の境界に関する紛争です。電話は025-378-5444で、センターの案内では月曜から金曜の10時から12時、13時から16時30分です。
手続きは、受付面談(無料)、相談手続、調停手続の順です。相談手続では、助言や支援を受けられます。相手方と話し合うことを望む場合に、調停手続に進みます。費用は、法務省の事業者情報では、申立手数料が2万円(税別)、和解が成立したときの手数料が20万円(税別。当事者で分担)です。センターの案内には、税込とみられる2万2,000円、22万円と載っています。このほか、期日ごとの手数料と、実費がかかります。
注意する点は、相手方の協力が要ることです。センターの案内は、調停手続について、相手方の協力が無い場合は実施できない、と明記しています。ADRは非公開で、裁判より時間や費用がかからない場合が多いとされる一方、強制力はありません。隣家と話し合う気持ちがある場合に向きます。最新の受付と費用は、センターで確認してください。
4. 筆界特定制度(新潟地方法務局)
法務省と法務局の説明を整理します。
- 土地の所有者として登記されている人や、その相続人などが申請できる。
- 申請先は、対象の土地を管轄する法務局または地方法務局。新潟県内の土地は、新潟地方法務局(新潟市中央区西大畑町5191番地、代表025-222-1561)の管轄。
- 筆界特定登記官が、外部の専門家(筆界調査委員)の意見を踏まえて、現地の筆界の位置を特定する。
- 申請が公告され、筆界で接する隣地の所有者などに通知される。申請人と関係人は意見や資料を出せる。意見を述べる期日もある。
- 手続きの中で測量が必要になることがある。申請人は、測量費用の概算額を予納する。予納がないと申請は却下される。
- 申請手数料は、土地の固定資産税課税台帳の価格で決まる。法務省の例では、申請人の土地と隣の土地の価格の合計が4,000万円のとき、8,000円。
- 筆界特定の結果に納得できないときは、あとから裁判で争える。
- 特定されるのは筆界の位置。所有権の範囲を決めるものではない。
調査士会のADRセンターは、筆界特定について、相手の都合に関係なく進むが、民事上の紛争は残る、と説明しています。
期間は、法務局ごとに標準処理期間が決められています。他の局の例では、津地方法務局が9か月、秋田地方法務局が6か月です。新潟地方法務局の期間は、ページで確認できませんでした。※確認中: 新潟地方法務局の筆界特定の標準処理期間と、相談の受付方法 売却の日程に響くため、申請を考えるときは早めに法務局へ確認してください。
隣地の所有者が分からないとき
隣の土地の所有者が分からない、亡くなっていて相続人も分からない、というときは、筆界の確認が難しくなります。法務省は、法務局に備え付けの地図や地積測量図などから筆界を確認できることがあるとして、土地家屋調査士か法務局への相談を案内しています。隣地が所有者不明土地の場合の運用の見直しが、令和4年10月3日から全国の法務局で始まっています(法務省、令和5年6月26日付の情報)。法務局の筆界特定の案内も、隣地の所有者や相続人が分からない場合は、まず法務局の筆界特定室に相談するよう勧めています。
水路・里道が隣にあるとき
新潟には、敷地の際に水路や、里道(赤道)があるところがあります。市が管理する道路・水路などとの境界は、民有地どうしの境界とは別の手続きです。窓口は市町村ごとに違います。
新潟市
新潟市の「境界立会い」は、民有地と、市が管理する道水路などの公共用地との境界を、双方で確認するものです。一般的に、土地の売買や譲渡のときに必要になります。確認ができたら、境界確認書を取り交わします。
| 項目 | 内容(新潟市のページ) |
|---|---|
| 申請先 | 対象地を管轄する区役所の建設課(電話番号は区ごとにページに載る) |
| 流れ | 境界立会申請書の提出→資料による事前調査→現地立会い→境界を示す図面の提出→境界確認書の交付 |
| 必要なもの | 現地の測量図など。専門の土地家屋調査士を代理人にするのが一般的 |
| 費用・期間 | ページに記載なし |
境界立会いと、法定外公共物(里道・水路)に関する新潟市のページは、最終更新が2012年6月1日です。古いページのため、申請前に区役所の建設課で最新の手続きと様式を確認してください。
里道・水路などの法定外公共物は、公図で、地番の代わりに「水」や「道」と書かれていたり、地番のない土地(無地番地)になっていたりします。敷地の中に見つかったときは、財務部財産活用課(025-226-2382)か区役所の建設課に相談するよう、市は案内しています。売払いは財産活用課が受け付け、機能の確認と境界確認の申請は建設課の担当です。売払いの流れでは、測量は申請する人が業者に頼み、費用も申請する人が負担します。新潟市のよくある質問(2023年5月更新)には、売払い、登記の名義、境界立会いの項目があります。
長岡市
長岡市は、「道路等境界確認事務取扱基準」(令和5年3月22日一部改正)で、市道などの道路と、法定外公共物(赤道・水路)の境界確認の進め方を定めています。基準から、実家の売却で押さえたい点を抜き出します。
- 申請者は、申請地の地権者。土地家屋調査士などに任せるときは、その連絡先を届け出る。
- 申請書は、立会いを求める日の15日前までに出す。法定外公共物は、所管する課ごとに1部ずつ出す。
- 申請の前に、隣接地の所有者へ立会いを頼む趣旨を説明し、立会い、市職員の立入り、民地どうしの境界の場所について承諾を得ておく。
- 名義人が亡くなっている場合は、相続人が地権者として扱われる。相続人が複数いるときは、代表の1人の押印でもよい。
- 申請書を出してから5か月たっても現地立会いが行われない場合などは、「不調」として処理される。期間の目安を示すものではありませんが、日程には余裕を見てください。
窓口は、道路については道路管理課(0258-39-2232)です。法定外公共物は所管する課が分かれるため、最初に道路管理課へ確認します。使われていない道路・水路敷の払下げは、財産マネジメント課の案内です。
上越市
上越市は、都市整備部 道路課(025-520-5768)の申請案内のページに、境界立会いの説明書、申請のチェックリスト、境界確認の同意についての書類、境界確認書の様式を載せています(2026年4月1日更新)。市道と法定外公共物のどちらが対象かは、ページで確認できませんでした。
そのほかの市町村
※確認中: 新潟市・長岡市・上越市以外の、官民境界と法定外公共物の窓口(実家のある市町村) 市町村の代表窓口に、「市が管理する道路や水路との境界確認は、どの課か」と聞きます。
水路や里道は、公図に載っていても、現地で見分けにくい場合があります。売る前に、公図と現地を並べて見ておくと、隣が民有地か公有地かが分かります。
相続した実家で、先に整えること
- 名義が亡くなった親のままなら、先に相続登記を進める。売る人の名義が必要になる(相続登記は、相続を知った日から3年以内の義務)。
- 共有の実家は、共有者全員の方針を先にそろえる。境界の立会いや承諾にも、名義人の関与が要る。
- 隣地の所有者の連絡先は、近所に聞くか、法務局で取る隣地の登記事項証明書で名義を確かめる。
名義と期限は、次の記事にまとめています。
進め方(県外から)
| 順番 | やること | 補足 |
|---|---|---|
| 1 | 登記事項証明書、公図、地積測量図を取る | 法務局のオンライン請求。名義が亡くなった方のままなら、相続登記を先に |
| 2 | 現地の境界標と、隣地・道路・水路との並びを写真に残す | 帰省のついでに。冬は雪で見えないため、雪のない時期に確認する |
| 3 | 土地家屋調査士会に相談する | 025-378-5005(要予約)。地域の調査士は会員検索で探せる |
| 4 | 不動産会社に、契約の形(公簿か実測か)と、測量の時期を相談する | 売主の境界の明示義務と、隣家が断りそうな事情を伝えて、契約の条項を決める |
| 5 | 立会いが得られないときは、ADRか筆界特定を検討する | 売却の日程と費用に響くため、早めに法務局・調査士会へ |
| 6 | 売った後、測量費の領収書を保管する | 譲渡費用の根拠になる |
実家に通えない人の段取りは、次の記事にあります。
相談窓口
| 相談したいこと | 窓口 | 公式に確認できたこと |
|---|---|---|
| 境界の確認・測量・登記 | 新潟県土地家屋調査士会(025-378-5005) | 要予約、平日8時30分から17時 |
| 境界の紛争(ADR) | 境界紛争解決支援センターにいがた(025-378-5444) | 法務省が認証した事業者。月〜金の10時から12時、13時から16時30分 |
| 筆界特定、地図・図面 | 新潟地方法務局(代表025-222-1561、新潟市中央区西大畑町5191番地) | 筆界特定の相談の受付は要確認 |
| 市道・水路との境界(新潟市) | 各区役所 建設課 | 境界立会いの申請先。ページの更新は2012年 |
| 里道・水路(新潟市) | 財務部 財産活用課(025-226-2382) | 売払いの受付と、公図の「水」「道」の相談 |
| 市道・法定外公共物との境界(長岡市) | 道路管理課(0258-39-2232) | 境界確認の基準は令和5年3月改正。法定外公共物は所管課を確認 |
| 市道・法定外公共物との境界(上越市) | 都市整備部 道路課(025-520-5768) | 境界立会いの様式あり(2026年4月更新) |
| 地籍調査 | 新潟県 農地部 農村環境課(025-280-5370) | 地区の状況は市町村へ |
| 不動産の売買 | 新潟県宅地建物取引業協会(025-247-1177)、全日本不動産協会 新潟県本部(025-385-7719) | 新潟市の相談窓口一覧の記載。宅建協会は要予約(相談日は毎月第2・第4木曜日) |
| 法律の相談 | 新潟県弁護士会(025-222-5533) | 法律相談料は原則30分5,500円(税込)。内容によって無料もある |
ここに挙げた連絡先は、各ページの記載です。最新の受付時間と相談日は、各窓口で確認してください。当サイトは、土地家屋調査士・司法書士・弁護士などを紹介して、紹介料や報酬を受け取ることはありません。
境界と測量のよくある質問
Q. 測量をしないと、実家は売れませんか?
売買の契約を公簿売買にすれば、実測図がなくても契約は結べます。ただし、売主には境界を明示する義務があります(「不動産売買の手引」)。境界標がない、隣地との認識がずれている、という状態では、明示が難しくなります。測量をするかは、不動産会社と調査士に相談して決めてください。
Q. 測量は、売り出す前にしておくべきですか?
手引きの契約書の参考例では、実測図は、契約のあと、引渡しのときまでに買主へ渡す形です。売り出す前に済ませる決まりはありません。ただし、立会いを断られそうな場合は、引渡しまでに間に合うかが心配です。媒介契約を結ぶ前に、不動産会社へ事情を伝えてください。
Q. 境界の杭が見つかりません。
杭がない場合は、図面(地積測量図、公図)と現地の状況から、調査士が位置を探します。隣地との立会いで確認できれば、新しい境界標を入れる形です。費用は、依頼内容で変わります。民法には、境界標の設置の費用は隣地と等しく負担し、測量の費用は土地の広さに応じて分担する、という定めがあります(第224条)。
Q. 隣の家が立会いを断りました。
まず調査士に相談します。そのうえで、話し合いに応じる余地があればADR、応じない、連絡が付かない場合は筆界特定制度を検討する流れです。ADRは、相手方の協力がないと調停ができません。筆界特定は、法務局が筆界の位置を特定する手続きで、隣地の所有者には通知が届きます。期間は法務局ごとに決められており、測量費の概算額を予納します。売却の日程には余裕を持たせてください。
Q. 隣の人が亡くなっていて、相続人も分かりません。
法務省は、法務局の地図や地積測量図などから筆界を確認できることがあるとして、調査士か法務局への相談を案内しています。隣地が所有者不明土地の場合の運用の見直しが、令和4年10月3日から全国の法務局で始まっています。
Q. 境界が不明だと、売値は下がりますか?
公的な目安は確認できませんでした。買主が境界の確定を求めるかは、取引ごとに違います。査定の段階で、境界の状況を不動産会社に伝えてください。
Q. 水路の向こう側の境界は、誰と確認しますか?
水路や里道が市の管理地なら、市の窓口と境界を確認します。新潟市は区役所の建設課、長岡市は道路管理課、上越市は道路課が、境界立会いの窓口です。市以外の管理者の水路もあるため、実家のある市町村に、管理者を確認してください。
Q. 測量の費用は、売るときの税金に影響しますか?
売るために直接かかった測量費は、譲渡費用として、売却益の計算で引けます(国税庁 No.3202)。個別の扱いは、税務署か税理士に確認してください。
次に読む
- 新潟の実家が空き家になったら|売る・貸す・壊すの比べ方と、使える制度
- 新潟の空き家を買い取ってもらうには|買取と仲介の違い・再建築不可・査定書類
- 再建築できない実家(新潟)を売る・手放すには
- 新潟で実家が売れないときにできること|売れない理由の見分け方と、8つの選択肢の費用・期間・注意点
- 新潟の実家を売る費用は4つに分けて出す|仲介手数料・登記・測量・解体・税と手取り
- 新潟市の実家を売る流れは7段階|期間・費用・窓口と3,000万円控除の期限
- 長岡市の実家を売る流れは6段階|相続登記から3,000万円控除・相談先まで
出典
確認日はすべて2026年10月12日です。
- 不動産適正取引推進機構(編集発行、都道府県監修)「不動産売買の手引 令和8年度版」(PDF) https://www.retio.or.jp/wp-content/uploads/2026/06/R08%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3%E5%A3%B2%E8%B2%B7%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%95_%E4%BB%A4%E5%92%8C8%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88.pdf
- 不動産適正取引推進機構「啓発助言(手引等)」 https://www.retio.or.jp/info/index/
- 法務省「筆界特定制度」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji104.html
- 法務局「筆界特定手続の流れ」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu2/static/hikkaiSeido3.html
- 法務局「筆界特定制度の“よくある質問”(申請を検討されている方)」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu2/static/hikkaiQA5_10.html
- 津地方法務局「筆界特定」(標準処理期間の例) https://houmukyoku.moj.go.jp/tsu/static/hittokulink.htm
- 秋田地方法務局「筆界特定」(標準処理期間の例) https://houmukyoku.moj.go.jp/akita/page000001_00140.html
- 法務局「登記事項証明書(土地・建物)、地図・図面証明書を取得したい方」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/shomeisho_000001.html
- 法務省「隣の土地の所有者が分からなくてお困りの方へ(分筆や地積更正の登記のとき)」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00519.html
- e-Gov法令検索「民法」第209条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-At_209
- e-Gov法令検索「民法」第223条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-At_223
- e-Gov法令検索「民法」第224条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-At_224
- 日本土地家屋調査士会連合会「土地家屋調査士 報酬ガイド」(2025年度アンケート、PDF) https://www.chosashi.or.jp/media/hoshuguide_single_r07.pdf
- 日本土地家屋調査士会連合会「土地家屋調査士 報酬ガイド」(2022年度アンケート、PDF。前回分) https://www.chosashi.or.jp/media/hoshuguide_single_r04.pdf
- 日本土地家屋調査士会連合会「業務報酬統計資料」 https://www.chosashi.or.jp/association/disclosure/reward/
- 新潟県土地家屋調査士会 https://nii-cho.jp/
- 新潟県土地家屋調査士会「境界」 https://nii-cho.jp/border
- 新潟県土地家屋調査士会「会員検索」 https://nii-cho.jp/member-search
- 境界紛争解決支援センターにいがた https://adr.nii-cho.jp/
- 境界紛争解決支援センターにいがた「手続の依頼」 https://adr.nii-cho.jp/support/procedure
- 境界紛争解決支援センターにいがた「境界とADR」 https://adr.nii-cho.jp/support/border
- 法務省「認証紛争解決事業者情報(新潟県土地家屋調査士会)」 https://www.moj.go.jp/KANBOU/ADR/jigyousya/ninsyou0131.html
- 新潟地方法務局 https://houmukyoku.moj.go.jp/niigata/
- 新潟市「空き家に関する相談窓口一覧」(更新2026年8月7日) https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/jyutaku/akiya/madoguchi.html
- 新潟市「境界立会い」(更新2012年6月1日) https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/doro/road/roadinfo/kyoukaitatiai.html
- 新潟市「法定外公共物に関する手続き」(更新2012年6月1日) https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/doro/road/dorochosa/houtei/houteigai.html
- 新潟市「法定外公共物とは」(更新2012年6月1日) https://www.city.niigata.lg.jp/shisei/zaisan/shiyutibaikyaku/houteigaikokyobutsu/hoteigai.html
- 新潟市「法定外公共物の売払いについて」(更新2012年6月1日) https://www.city.niigata.lg.jp/shisei/zaisan/shiyutibaikyaku/houteigaikokyobutsu/uri.html
- 新潟市「法定外公共物 よくある質問」(更新2023年5月2日) https://www.city.niigata.lg.jp/shisei/zaisan/shiyutibaikyaku/houteigaikokyobutsu/q_a.html
- 長岡市「長岡市道路等境界確認事務取扱基準」(令和5年3月22日一部改正、PDF) https://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/cate18/file/tachiai-03.pdf
- 長岡市「道路に関するお問い合わせ」(更新2026年9月17日) https://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/cate18/contact.html
- 上越市「各種申請(道路課)」(更新2026年4月1日) https://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/douroka/sinsei.html
- 新潟県「地籍調査」 https://www.pref.niigata.lg.jp/site/nousonkankyo/chisekityousa.html
- 国税庁 タックスアンサー No.3202「譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3202.htm
- 新潟県弁護士会「弁護士に相談する」 https://niigata-bengo.or.jp/consultation/