実家じまいの進め方
親が認知症になると実家は売れない?|元気なうちに決める備えと費用・窓口
親が認知症になると、実家の売却は成年後見と家庭裁判所の許可が要ります。元気なうちの任意後見・遺言・家族信託の違い、費用、新潟市・長岡市の窓口、切り出し方を公的情報で整理します。
更新日: 2026-10-09/この記事には広告(PR)を含みます。広告について

親が認知症になっても、実家が売れなくなるわけではありません。ただし、親名義の実家を売る契約は、親本人が結ぶのが原則です。判断能力が下がると、家庭裁判所が選ぶ成年後見人が手続きを進めます。居住用の家を売るには、家庭裁判所の許可も要ります。元気なうちなら、任意後見契約などで備えられます。
早見表:親の状態と、実家の売却
| 親の状態 | 実家の売却 | 使える備え |
|---|---|---|
| 判断能力がある | 親本人が決めて売れる | 任意後見契約、遺言、家族信託、エンディングノート |
| 判断能力が不十分になった | 後見人が、家庭裁判所の許可を得て売る | 法定後見の申立て(任意後見契約があれば監督人の選任申立て) |
| 亡くなった後 | 相続人全員で決める | 遺言(公正証書、法務局保管) |
この記事で分かること
- 親が認知症になると、実家の売却がどう変わるか
- 判断能力があるうちにしかできないことの時系列
- 任意後見・遺言・家族信託・法定後見の比較表と、費用
- 新潟家庭裁判所、新潟県内の公証役場、新潟市・長岡市の相談窓口
- 物忘れが出始めた最初の1か月にやること(長岡市の例)
- 親への切り出し方
制度や数字は、裁判所・法務省・厚生労働省・日本公証人連合会・自治体の公式ページにあるものだけを使っています。家族信託は、法務省の案内の範囲にとどめます。法律の個別の判断は、司法書士・弁護士・公証役場に相談してください。
親が元気なうちの実家じまい全体は、親が元気なうちに始める実家じまい にまとめています。この記事は、認知症の論点に絞ります。
物忘れが出始めたら、最初の1か月でやること
長岡市で一人暮らしの母に物忘れが出始めた、という場面で並べます。新潟市の場合は、窓口を読み替えてください。
| 順 | やること | 窓口・費用 |
|---|---|---|
| 1 | 通帳、権利証(登記識別情報)、保険、納税通知書の場所を、親の了解を得て一覧にする | 費用はかかりません |
| 2 | 実家の名義を、登記事項証明書で確かめる | 法務局 |
| 3 | 制度の相談を、第三者の窓口で1回受ける | 長岡市成年後見センター(0258-86-4715)。相談は無料 |
| 4 | 親の了解を得て、任意後見契約を公証役場に相談する | 長岡公証人合同役場(0258-86-6925)。相談は無料。契約は基本17,200円 |
| 5 | 契約を結べない状態なら、法定後見の申立てを準備する | 新潟家庭裁判所長岡支部の家事係(0258-35-2285)。診断書が要る |
契約を結べる状態かどうかの基準は、公式ページに見当たりません。早めに、公証役場と専門家に確認します。
首都圏など遠くに住む子は、窓口の電話番号に連絡して、来所の日を決めます。母の側で窓口に同行できる親族がいるかも、先に確かめます。
申立ての書類のうち、戸籍、住民票、診断書は、発行から3か月以内のものです。そろえる順番を決めてから取ります(裁判所)。
売却を急ぐとき
- 最初の相談先は、地域包括支援センターや成年後見センターです。
- 売却を急ぐ場合は、売る前に、成年後見センターや司法書士会に相談します。
- 親の判断力が下がったあとは、独断で預金を払い出さず、銀行と専門家に相談します。
- 施設に入った後の実家の扱いは、親が施設に入ったら実家はどうする? にまとめています。
親が認知症になると、実家はどうなるのか
実家を売る契約には、本人の判断能力が必要
民法は、意思表示をしたときに意思能力がなかった場合、その法律行為は無効と定めています(民法第3条の2)。
実家が親名義なら、売る契約の当事者は親です。子であることだけで、親に代わって売る権限が生まれるわけではありません。
名義は、法務局の登記で確認できます。祖父母の名義のままの実家もあります。
実家が父母の共有名義のときは、共有物に変更を加えるのに、他の共有者の同意が要ります(民法第251条第1項)。共有者の一人の判断力が下がったときの進め方は、司法書士や弁護士に確認します。
成年後見が始まると、居住用不動産の処分に許可が要る
法定後見制度は、家庭裁判所が成年後見人等を選ぶ制度です。本人の程度により、補助・保佐・後見に分かれます(厚生労働省)。
後見人は、本人の財産に関する法律行為を、本人に代わって行います。本人の居住用不動産を処分するには、家庭裁判所の許可が必要です。
根拠は、民法第859条の3です。成年後見人が、本人の居住の用に供する建物やその敷地を処分するには、家庭裁判所の許可を得なければなりません。処分とは、売却、賃貸、賃貸借の解除、抵当権の設定などです(e-Gov法令検索)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 許可が要る行為 | 売却、抵当権の設定、賃貸借契約の締結・解除、建物の取り壊しなど |
| 許可なしで処分したとき | その処分は無効 |
| 対象になる家 | 今住んでいる家のほか、施設に入る前に住んでいた家、将来住む可能性がある家 |
| 申立先 | 後見開始の審判をした家庭裁判所 |
| 申立人 | 後見人。保佐人・補助人は、不動産の処分の代理権を与えられている場合 |
| 申立ての費用 | 収入印紙800円分と、連絡用の郵便料 |
| 主な添付書類 | 申立書、必要性を示す資料(契約書の写し、評価証明書、売却なら不動産業者の査定書)、登記事項証明書 |
(裁判所「居住用不動産の処分についての許可」による。裁判所の案内は、成年後見人・保佐人・補助人についてです。)
許可するかどうかは、家庭裁判所が判断します。裁判所の案内ページに、許可の基準は書かれていません。※確認中: 売却の許可で見られる点。新潟家庭裁判所の窓口で確認
成年後見で実家を売るまでの順番
親が認知症になってから実家を売るには、手続きが2段階になります。
| 段階 | やること | 費用・目安 |
|---|---|---|
| 1 | 本人の住所地の家庭裁判所に、後見開始を申し立てる | 収入印紙800円分、登記手数料2,600円分、郵便切手。鑑定が必要なら鑑定料(ほとんどの場合10万円以下) |
| 2 | 審理を経て、家庭裁判所が後見人を選ぶ | 令和7年に終わった全国の事件では、2か月以内が約71.1%、4か月以内が約93.8% |
| 3 | 後見人が、売却の資料をそろえる | 評価証明書、査定書など |
| 4 | 後見人が、居住用不動産の処分の許可を申し立てる | 収入印紙800円分と郵便料 |
| 5 | 許可を得て、売る契約を結ぶ | 許可なしだと無効 |
処分の許可が出るまでの期間は、公式の目安が見当たりません。※確認中: 新潟家庭裁判所の窓口で確認
後見開始の申立てには、本人の戸籍謄本、住民票または戸籍附票、診断書、財産の資料などが要ります(裁判所)。診断書は発行から3か月以内のものです。マイナンバーが載った書類は出さないよう案内されています。
申立てができるのは、本人、配偶者、四親等内の親族などです(裁判所)。
後見人は、子が選ばれるとは限らない
後見人を選ぶのは、家庭裁判所です。申立書に候補者を書くことはできます。
最高裁判所の令和7年の集計では、後見人等に選ばれた4万2,732件のうち、親族は7,014件(約16.4%)でした。親族以外は3万5,718件(約83.6%)で、司法書士が最も多くなっています。
申立ての主な動機に「不動産の処分」を挙げた事件は、1万5,502件(約36.3%)でした。1件に動機が複数ある場合があります。全国の数字です。
後見人には、報酬が出ます。報酬は家庭裁判所が審判で決め、本人の財産から払います。新潟家庭裁判所のめやす(平成26年2月)では、基本報酬は月額2万円です。管理財産が1,000万円を超え5,000万円以下なら、月額3万円〜4万円です。
このめやすは平成26年2月の文書です。現在の運用は、家庭裁判所で確認してください。※確認中: 新潟家庭裁判所の現在の運用
報酬が月2万円なら、1年で24万円です(当サイトの計算)。
後見は、実家を売り終えても終わりません。法務省は、本人の判断能力が回復したと認められない限り、利用を途中でやめることはできないと説明しています。実家を売るためだけに後見を使うつもりでも、その後の報酬の支払いを見込んでおきます。
判断能力があるうちにしかできないこと(時系列)
親の判断能力の段階ごとに、できることは変わります。
| 時期 | できること | 相談先 |
|---|---|---|
| 元気なうち(判断能力が十分) | 任意後見契約、遺言、家族信託の契約、エンディングノート、書類と連絡先の一覧づくり | 公証役場、司法書士、弁護士 |
| 物忘れが出てきた | まず相談する。契約を結べるかの確認 | 地域包括支援センター、成年後見センター、司法書士会 |
| 判断能力が不十分になった | 法定後見の申立て。任意後見契約があれば、監督人の選任の申立て | 家庭裁判所 |
| 亡くなった後 | 遺言の執行、相続登記、遺産分割 | 法務局、家庭裁判所、司法書士 |
物忘れが出た段階で、新しい契約を結べるかどうかは、公式ページに基準が見当たりません。※確認中: 契約時に必要な判断能力の目安。公証人・専門家に確認
任意後見は、本人に判断能力があるうちに、公正証書で契約する制度です(法務省)。法定後見は、判断能力が不十分になってから、家庭裁判所が後見人等を選びます。
遺言だけでは、存命中の実家は守れない
遺言は、原則として、遺言者が亡くなった時から効力が生じます(民法第985条第1項。法務省の信託パンフレットの注)。
遺言は、親が亡くなったあとの実家の行き先を決める備えです。認知症になってから亡くなるまでの、実家の管理や売却には効きません。
存命中の備えには、任意後見や家族信託を考えます。遺言と併せて使う場合もあります。
任意後見の費用と仕組み(任意後見 費用)
任意後見は、本人が、任せる人と任せる内容を、あらかじめ契約で決める制度です。
- 契約は、公証人が作る公正証書で結びます。
- 契約だけでは、効力は始まりません。
- 判断能力が不十分になったあと、家庭裁判所が任意後見監督人を選ぶと、効力が始まります。
- 任意後見では、全件で監督人が選ばれます。
- 契約を取り消す権利は、任意後見にはありません(法務省)。
監督人の選任を申し立てられるのは、本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者です(厚生労働省)。
任意後見人が動けるのは、契約で定めた代理権の範囲内です(法務省)。実家の売却を任せるかどうかは、契約で定める事務の内容によります。
民法第859条の3は、成年後見人についての条文です。任意後見人が実家を売るとき、家庭裁判所の許可が要るかは、確認した公式ページに記載がありません。※確認中: 任意後見人が実家を売る場合の許可の要否。公証人・司法書士に確認
任意後見の費用は、時期で3つに分かれます。
| 時期 | 費用 |
|---|---|
| 契約を結ぶとき | 基本は17,200円。ほかに書留郵便料などがかかります |
| 判断能力が落ちて、監督人の選任を申し立てるとき | 収入印紙2,200円分(800円と1,400円)と郵便切手 |
| 効力が始まったあと | 監督人の報酬は、新潟家庭裁判所のめやすで、管理財産5,000万円以下なら月額1万円〜2万円。任意後見人の報酬は契約で定める |
監督人の報酬が月1万円〜2万円なら、1年で12万円〜24万円です(当サイトの計算)。
遺言の方法と費用
公正証書遺言
公証役場で、公証人が作ります。証人は2人必要です。原本は公証役場に保管されます。
家庭裁判所の検認は、要りません。公証人への相談は、無料です(日本公証人連合会)。
手数料は、財産を受け取る人ごとの価額で決まります。主な区分は次のとおりです。
| 目的の価額 | 手数料 |
|---|---|
| 500万円超1,000万円以下 | 20,000円 |
| 1,000万円超3,000万円以下 | 26,000円 |
| 3,000万円超5,000万円以下 | 33,000円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 49,000円 |
全体の財産が1億円以下なら、遺言加算13,000円がかかります。3,000万円の財産を1人に遺す例では、26,000円に13,000円を足して39,000円です。
原本が3枚を超えると、1枚300円が加算されます。出張や病床での作成には、加算や日当がかかります。
自筆証書遺言と、法務局の保管制度
自筆の遺言書は、全文、日付、氏名を本人が自書し、押印します(法務省)。
法務局に預けられるのは、本人だけです。予約が必須で、手数料は1件3,900円です。保管所は、住所地、本籍地、所有する不動産の所在地から選べます(法務省)。
保管した遺言書は、家庭裁判所の検認が要りません(裁判所)。
法務局は、遺言書の内容の相談には応じません。内容は、弁護士などに相談します(法務省)。
家族信託は、国の案内ではどこまで分かるか(家族信託 実家)
法務省民事局は、令和8年3月31日に、パンフレット「知って活用 信託制度」を公表しました。国の案内で分かる範囲は、次のとおりです。
- 認知症などに備えた財産管理では、親族間の信託の利用が有効とされています。
- 信託は、委託者、受託者、受益者の3者で成り立ちます。受託者は、信託の目的に従って、財産の管理・処分をします。
- 活用例は、高齢の親が委託者兼受益者になり、子を受託者にして、信託契約を結ぶ形です。子は、預貯金の払戻し、自宅の管理、公租公課の支払いなどを行い、親に生活費を支給します。
- 不動産は、信託の登記をしないと、信託財産であることを第三者に主張できません。
- 信託は、成年後見制度や遺言と、併用できます。併用の仕方は、弁護士や司法書士などの専門家のサポートを受けて検討します。
実家を売れるかどうかは、信託契約で何を定めるかで決まります。個別の設計は、この記事の範囲を超えます。司法書士や弁護士に相談してください。
費用の目安と、家族信託専用の公的な相談窓口は、確認できていません。※確認中: 家族信託の費用の公式な目安、公的相談窓口の有無
専門家に聞く項目の例です。
- 売却を受託者に任せる権限を、契約に入れられるか
- 契約を結ぶときに、親に必要な判断能力はどの程度か
- 実家の信託の登記は、誰が、いくらでするか
- 税や農地の扱いは、どうなるか
備えを比べる表
| 任意後見 | 公正証書遺言 | 自筆遺言+法務局保管 | 家族信託 | 法定後見 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 結ぶ・始める時期 | 判断能力があるうち | 元気なうち | 元気なうち | 元気なうち(専門家と設計) | 判断能力が不十分になってから |
| 備えられること | 判断力が落ちたあとの財産管理と手続き | 亡くなったあとの財産の行き先 | 亡くなったあとの財産の行き先 | 存命中の財産の管理・処分(契約の内容による) | 判断力が落ちたあとの財産管理と手続き |
| 認知症になった後の実家 | 契約で任せた範囲で、任意後見人が対応 | 効かない(死亡後の備え) | 効かない(死亡後の備え) | 契約の内容による | 後見人が、家庭裁判所の許可を得て売る |
| 誰が決めるか | 本人が、任せる人と内容を決める | 本人 | 本人 | 本人と受託者 | 家庭裁判所が後見人を選ぶ |
| 検認 | 該当なし | 不要 | 不要 | 該当なし | 該当なし |
| 主な窓口 | 公証役場 | 公証役場 | 法務局の遺言書保管所 | 司法書士、弁護士 | 家庭裁判所 |
費用の一覧
| 手続き | 費用 | 出典 |
|---|---|---|
| 任意後見契約の作成 | 公証人手数料13,000円、収入印紙2,600円、登記嘱託手数料1,600円。3つを足すと17,200円(当サイトの計算) | 日本公証人連合会 |
| 任意後見契約の加算 | 書留郵便料、原本が3枚を超える分(1枚300円)、謄本の作成手数料。病床での作成は病床執務加算。財産管理の委任契約を同時に結ぶと、その手数料が別 | 日本公証人連合会 |
| 任意後見監督人の選任の申立て | 申立手数料800円、登記手数料1,400円、郵便切手 | 厚生労働省 |
| 任意後見監督人の報酬 | 家庭裁判所が決める。新潟家庭裁判所のめやす(平成26年2月)は、管理財産5,000万円以下で月額1万円〜2万円 | 新潟家庭裁判所 |
| 任意後見人の報酬 | 契約で定める | 厚生労働省 |
| 公正証書遺言 | 財産の価額に応じて決まる。3,000万円を1人に遺す例は39,000円 | 日本公証人連合会 |
| 遺言書の法務局保管 | 1件3,900円 | 法務省 |
| 法定後見の申立て | 収入印紙800円分、登記手数料2,600円分、郵便切手。鑑定料は、ほとんどの場合10万円以下 | 厚生労働省 |
| 居住用不動産の処分の許可 | 収入印紙800円分と郵便料 | 裁判所 |
| 法定後見人の報酬 | 家庭裁判所が決める。新潟家庭裁判所のめやす(平成26年2月)は、基本報酬が月額2万円。管理財産が1,000万円を超え5,000万円以下なら月額3万円〜4万円 | 新潟家庭裁判所 |
| 司法書士・弁護士への依頼 | ※確認中: 申立書や契約書案の作成費用の公式な目安なし。見積りで確認 | 新潟県司法書士会 |
| 家族信託 | ※確認中: 公式な費用の目安なし | 法務省 |
契約の前に、公証役場で現在の金額を確認してください。日本公証人連合会の金額は、2026年10月9日に確認しました。
費用を払えない場合の助成もあります。
| 新潟市 | 長岡市 | |
|---|---|---|
| 対象 | 本人または申立人が生活保護を受けている人など | 生活保護の受給者のほか、住民税非課税で収入・資産が基準以下の人など |
| 助成の内容 | 申立手続きの費用、後見人等への報酬の一部 | 申立ての費用、後見人等への報酬 |
| 報酬の上限(月額) | 在宅28,000円、施設入所18,000円 | 在宅28,000円、施設入所18,000円。1回の申請で最長24か月分 |
| 窓口 | 各区役所の健康福祉課 高齢介護担当 | 長寿はつらつ課(0258-89-7440) |
(新潟市は、後見人等が配偶者・直系血族・兄弟姉妹のときは対象外です。長岡市は、審判の確定から1年以内に申請します。)
新潟県内の窓口
| 窓口 | 相談できること | 連絡先・所在地 |
|---|---|---|
| 新潟家庭裁判所 | 後見開始の申立て、居住用不動産の処分の許可、手続案内 | 新潟市は本庁(新潟市中央区川岸町1-54-1、家事訟廷事務室025-333-0131)。長岡市は長岡支部(長岡市三和3-9-28、家事係0258-35-2285) |
| 長岡公証人合同役場 | 任意後見契約、公正証書遺言 | 長岡市長町1丁目甲1672番地1、0258-86-6925 |
| 新潟公証人合同役場 | 任意後見契約、公正証書遺言 | 新潟市中央区天神1丁目1番地プラーカ3棟6階、025-240-2610 |
| 新潟市成年後見支援センター | 成年後見制度の相談 | 新潟市中央区八千代1丁目3番1号 総合福祉会館1階、025-248-4545。月〜金の9時〜17時(祝日と12月29日〜1月3日を除く) |
| 長岡市成年後見センター | 後見制度の利用相談。相談料は無料 | 長岡市表町2丁目2番地21 トモシア2階、0258-86-4715。平日8時30分〜17時15分 |
| 地域包括支援センター | 高齢者の総合相談 | 新潟市は30か所、長岡市は11か所 |
| 新潟県司法書士会 総合相談センター | 成年後見、相続、遺言の電話相談。無料 | 025-240-7867。平日10時〜12時、13時〜16時 |
家庭裁判所は、管轄が分かれています。長岡市は長岡支部、新潟市は本庁です(裁判所「申立書提出先一覧」)。ほかの市町村は、一覧で確認してください。後見開始の申立先は、本人の住所地の家庭裁判所です。
公証役場の受付時間と予約の要否は、両役場のページに記載がありません。日本公証人連合会は、予約制の役場があると案内し、相談は無料としています。※確認中: 両公証役場の受付時間と予約の要否
新潟市成年後見支援センターのページの最終更新日は、2022年4月11日です。専門家による相談は無料の予約制です。弁護士は偶数月、司法書士は奇数月の第3木曜日の14時〜16時です。開催日は、事前に確認してください。※確認中: 最新の開催日
新潟市の地域包括支援センターは、成年後見制度など、権利を守る制度の相談を受けています。長岡市のセンターは、認知症に関する相談を受けています。
どれを選ぶか:目的別の選び方
最終的な選び方は、専門家と相談して決めます。当サイトの整理は次のとおりです。
| 親の希望・状況 | 候補 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 判断力が落ちたときの手続きや預金管理を、信頼できる人に任せたい | 任意後見 | 誰に、何を任せるか。監督人がつくこと |
| 亡くなったあと、実家を誰に残すか決めたい | 公正証書遺言、または法務局保管の自筆遺言 | 公証役場か、法務局の予約 |
| 存命中の実家の管理・処分を、子に任せる設計にしたい | 家族信託 | 契約の内容、登記、費用 |
| 施設の費用のために、将来、実家を売る可能性がある | 任意後見(売却を任せる範囲に入れるか)、または家族信託 | 売却を契約に入れられるか。任意後見は許可の要否が※確認中(任意後見の章) |
| すでに物忘れがあり、売却を進めたい | 法定後見と、処分の許可 | 診断書、後見人の候補者、費用 |
| まだ何も決められない | エンディングノートと、書類の一覧 | 親が元気なうちに始める実家じまい |
任意後見と遺言は、役割が違います。両方を結ぶ場合もあります。
親への切り出し方
親が自分の言葉で話せるうちに、聞いておきます。以下は一般的な考え方です。
避ける言い方
- 「認知症になったら困る」と、不安をぶつける
- 「実家を売れなくなるから、早く決めて」と、急がせる
- 制度の名前から入る
聞くことは3つ
- 判断が難しくなったとき、誰に任せたいか
- 実家を、将来どうしたいか
- 通帳、権利証(登記識別情報)、保険、納税通知書の場所
切り出しの例
「万一のとき、家族が困らないようにしたい。決めておきたいことはある?」と聞きます。「書いてほしい」「契約して」とは言いません。決めるのは、親です。
進め方
- 帰省のたびに、1つだけ聞く
- 親の言葉のまま、日付つきのメモに残す
- きょうだいにも同じ内容を伝える
- 制度の説明は、公証人や司法書士、成年後見センターなどの第三者に頼む
- 親が話したがらないときは、期限を切らない
親の通帳を、子が了解なしに使うのはやめてください。支払いが必要なときは、親の了解を得て、日付と金額を記録します。
話し合いの進め方は、親が捨てない・怒るときの片付け も参考になります。
亡くなったあとの売却と、費用が足りないとき
親の死後に実家を売るときの税は、相続した実家を売ったときの税金 を見てください。費用が足りないときは、実家じまいのお金がないとき を見てください。
よくある質問
認知症の親の実家は売れますか?子が代わりに売れますか?
売れなくなるわけではありません。ただし、子であることだけでは、親に代わって売る権限は生まれません。後見が始まると、後見人が、家庭裁判所の許可を得て売ります。許可なしの処分は無効です。後見開始の申立てと、処分の許可の申立ての2段階になります。子が後見人の候補者になることはできますが、選ぶのは家庭裁判所です。
後見人が実家を売り終えたら、後見は終わりますか?
終わりません。法務省は、本人の判断能力が回復したと認められない限り、利用を途中でやめることはできないと説明しています。新潟家庭裁判所のめやすでは、基本報酬は月額2万円です。
任意後見の費用はいくらですか?
契約を結ぶときは、公証役場の手数料13,000円、収入印紙2,600円、登記嘱託手数料1,600円です。足すと17,200円です。書留郵便料などが別にかかります。効力が始まるときは、監督人の選任の申立て費用と、監督人の報酬もかかります。
家族信託にすれば、認知症になっても実家を売れますか?
売れるかどうかは、信託契約の内容で決まります。法務省は、認知症などに備えた財産管理で、親族間の信託が有効とされると説明しています。個別の設計は、司法書士や弁護士に相談してください。
遺言書を書いてもらえば、認知症になっても大丈夫ですか?
遺言は、原則として、亡くなった時から効力が生じます。認知症になってから亡くなるまでの、実家の管理や売却には効きません。存命中の備えは、任意後見や家族信託を考えます。
次に読む
- 親が元気なうちに始める実家じまい|生前整理の進め方と、新潟で使える窓口
- 親が施設に入ったら実家はどうする?|空き家にする前に決める5つのこと
- 相続登記は知った日から3年以内に申請|新潟の法務局・過料10万円以下・相続人申告登記
- 相続した実家を売ったときの税金|3,000万円控除と新潟の相談窓口
- 新潟の実家が空き家になったら|売る・貸す・壊すの比べ方と、使える制度
- 実家じまいのお金がないとき|費用を抑える順番と、誰が払うか
- 共有名義の実家を売る・手放す
出典
確認日はすべて2026-10-09です。
- 裁判所「居住用不動産の処分についての許可」(確認日: 2026-10-09) https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_25_04/index.html
- 裁判所「後見開始」(確認日: 2026-10-09) https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_01/index.html
- 裁判所「遺言書の検認」(確認日: 2026-10-09) https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_17/index.html
- 裁判所「申立書提出先一覧(新潟家庭裁判所)」(確認日: 2026-10-09) https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/moushitatesaki/11_02teisyutusaki.pdf
- 新潟家庭裁判所「成年後見人等の報酬額のめやす(平成26年2月)」(確認日: 2026-10-09) https://www.courts.go.jp/niigata/vc-files/niigata/2021/kasaisyosiki/R3211.pdf
- 新潟家庭裁判所「窓口」(家事関係の電話番号)(確認日: 2026-10-09) https://www.courts.go.jp/niigata/saiban/madoguti/index.html
- 新潟家庭裁判所「所在地」(確認日: 2026-10-09) https://www.courts.go.jp/niigata/about/syozai/index.html
- 最高裁判所「成年後見関係事件の概況(令和7年1月〜12月)」(確認日: 2026-10-09) https://www.courts.go.jp/assets/20260316koukengaikyou-r7.pdf
- 厚生労働省「法定後見制度とは」(確認日: 2026-10-09) https://guardianship.mhlw.go.jp/personal/type/legal_guardianship/
- 厚生労働省「任意後見制度とは」(確認日: 2026-10-09) https://guardianship.mhlw.go.jp/personal/type/optional_guardianship/
- 法務省「成年後見制度Q&A(成年後見制度とは)」(確認日: 2026-10-09) https://www.moj.go.jp/MINJI/a01.html
- 法務省「成年後見制度の相談窓口」(確認日: 2026-10-09) https://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html
- 法務省「自筆証書遺言書保管制度(遺言者の手続)」(確認日: 2026-10-09) https://www.moj.go.jp/MINJI/02.html
- 法務省「自筆証書遺言書の作成上の注意」(確認日: 2026-10-09) https://www.moj.go.jp/MINJI/03.html
- 法務省「遺言書保管の手数料」(確認日: 2026-10-09) https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00010.html
- 法務省「信託制度のパンフレットの公表について」(確認日: 2026-10-09) https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00386.html
- 法務省パンフレット「知って活用 信託制度」(確認日: 2026-10-09) https://www.moj.go.jp/content/001459940.pdf
- 法務省「成年後見制度Q&A(法定後見の利用をやめられるか)」(確認日: 2026-10-09) https://www.moj.go.jp/MINJI/a04.html
- e-Gov法令検索「民法」(第3条の2・第251条・第859条の3)(確認日: 2026-10-09) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 日本公証人連合会「任意後見契約公正証書を作成する費用は、いくらでしょうか?」(確認日: 2026-10-09) https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow04/4-q22
- 日本公証人連合会「公正証書遺言」(確認日: 2026-10-09) https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow02
- 日本公証人連合会「公正証書の作成など公証人の法的サービスを受けるためには」(確認日: 2026-10-09) https://www.koshonin.gr.jp/system/s02/s02_08
- 新潟地方法務局「長岡公証人合同役場」(確認日: 2026-10-09) https://houmukyoku.moj.go.jp/niigata/table/kousyou/all/nagaoka_kou.html
- 新潟地方法務局「新潟公証人合同役場」(確認日: 2026-10-09) https://houmukyoku.moj.go.jp/niigata/table/kousyou/all/niigata_kou.html
- 新潟市「新潟市成年後見支援センター」(確認日: 2026-10-09) https://www.city.niigata.lg.jp/iryo/kenfuku/news/kouken-shien-center.html
- 新潟市「成年後見制度利用支援事業」(確認日: 2026-10-09) https://www.city.niigata.lg.jp/iryo/korei/anshinseikatsu/koreisha-seinenkoken.html
- 新潟市「地域包括支援センターとは」(確認日: 2026-10-09) https://www.city.niigata.lg.jp/iryo/kaigo/chiikihokatsu/houkatsutop.html
- 長岡市「成年後見制度について」(確認日: 2026-10-09) https://www.city.nagaoka.niigata.jp/fukushi/cate07/seinen-kouken.html
- 長岡市「法定後見制度利用支援事業」(確認日: 2026-10-09) https://www.city.nagaoka.niigata.jp/fukushi/cate07/shien-jigyo.html
- 長岡市「地域包括支援センター」(確認日: 2026-10-09) https://www.city.nagaoka.niigata.jp/fukushi/cate02/houkatu_center.html
- 新潟県司法書士会「司法書士会総合相談センター」(確認日: 2026-10-09) https://niigata-shiho.net/soudan_2center