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進め方と費用

新潟の実家で孤独死があっても売却できる|告知の要否は特殊清掃の有無で変わる・ガイドラインの「3年」は賃貸だけ

親が実家で亡くなった後に売るとき、買主に伝える必要があるのか。国土交通省のガイドラインを本文から読み、特殊清掃の有無による線引き、伝える内容、売主の責任、買取会社の選び方、新潟の相談窓口を公式情報で整理します。

更新日: 2026-10-16/この記事には広告(PR)を含みます。広告について

秋の田のあぜ道に並ぶ並木

**結論:親が亡くなった実家も、売ること自体はできます。ただし、買主に伝える必要があるかどうかは、「亡くなった原因」と「特殊清掃などを行ったか」で変わります。**国土交通省のガイドラインでは、老衰や病気による自然死と、自宅での転倒や入浴中の事故のような日常生活の中の不慮の死は、原則として伝えなくてよいとされています。ただし、発見まで長い時間がかかり、特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合は、この「伝えなくてよい」の扱いから外れ、ガイドライン4(2)の「買主の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は告げなければならない」に従います。ガイドラインで「概ね3年」が出てくるのは賃貸借の取引だけで、売買には年数で区切る定めがありません。**最初の一歩は、亡くなった時期・場所・原因、見つかった経緯、特殊清掃をしたかどうかを、メモにまとめることです。**不動産会社への最初の相談で、そのメモをもとに事実を伝えます。

ご家族を亡くされた直後に、売却のことまで考えるのはつらいと思います。期限のあるものは「税金と期限」の表にまとめました。急がなくてよいものは、気持ちが落ち着いてからで構いません。

内容は、2026年10月12日時点の国・新潟県・法務省・国税庁・裁判所などの公式ページで確認できたものだけです。ガイドラインは、宅地建物取引業者(不動産会社)の義務の考え方を示したものです。売主になる相続人の法的な責任や税金の個別の判断は、弁護士・司法書士・税理士に確認してください。確認できなかった項目は「※確認中」と書いています。この記事の本文では、特定の会社を推薦しません(「PR」と書いた枠は広告です)。亡くなった方とご家族に配慮し、詳しい状況の描写は書きません。

この記事で分かること

  • 告知の基準になる国のガイドラインの位置づけと、売主(相続人)の責任
  • 買主に伝える場合と、伝えなくてよい場合の線引き(表)
  • 伝える内容と、伝えなくてよい内容
  • ガイドラインに載っていないこと(解体した後の土地など)
  • 県外から進める手順、売り方の比べ方、買取会社を選ぶときの確認項目
  • 税金・相続の期限と、新潟の相談窓口

県外に住む50代の子ども世代が、新潟の親の実家で、ひとり暮らしの親が亡くなった場面を想定しています。

「事故物件」と呼ばれても、法律上の定義はない

「事故物件」は、不動産の取引で使われる呼び方です。国土交通省のガイドラインの本文には、この言葉は出てきません。ガイドラインが扱っているのは、「取引の対象となる不動産において生じた人の死に関する事案」です。居住用の不動産(住宅として使われるもの)が対象で、オフィスなどは対象外です。

つまり、実家が「事故物件」になるかどうかを気にするより、今回の亡くなり方は、買主に伝える側に入るのかを、順番に確かめるほうが、役に立ちます。

告知の基準は国のガイドライン(令和3年10月)

ガイドラインは何を決めたものか

国土交通省は、令和3年10月に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を示しました。国土交通省のページでは、本文は令和3年10月版、概要資料は令和6年3月時点の最新版として掲載されています。

ガイドライン本文は、位置づけを次のように説明しています。

  • 不動産会社が売主になる場合や、売買を仲介する場合に、宅建業法上どこまで買主に伝える必要があるかの、一般的な基準を整理したもの。
  • ガイドラインのとおりに対応しなかったからといって、直ちに宅建業法違反になるわけではない。ただし、トラブルになったときは、行政の監督の参考にされる。
  • 民事上の責任(買主との間の損害賠償などの責任)は、契約の内容などで個別に判断される。不動産会社がガイドラインのとおりに対応しても、民事上の責任を回避できるものではない。

法律そのものではなく、不動産会社が使う物差しです。実家の売却では、この物差しに沿って、不動産会社が「伝える・伝えない」を判断します。

売主(相続人)の立場

ガイドラインの背景の説明には、売主は、把握している事実を買主に告知する必要があり、過去の裁判例では、取引の目的、事案の内容、時間の経過、近隣住民への知れ渡り方などを考えて、信義則(誠実に行動すべきという民法の原則)上の告知義務の有無が判断されている、とあります。

実家を売る相続人は、売主です。ガイドラインは不動産会社向けですが、売主が自分の知っていることを隠してよい、という意味にはなりません。売主の責任は、あとの「売主の責任」で説明します。

買主に伝えるかどうか:売買での線引き

ガイドラインの第4章の内容を、売買の場合に絞って表にしました。

買主に伝えるかどうか:売買での線引き
亡くなった状況 買主に伝えるか(ガイドライン) 本文の位置
老衰、持病による病死など、いわゆる自然死。特殊清掃などは行われていない 原則、伝えなくてよい 4(1)①
自宅の階段からの転落、入浴中の溺死や転倒、食事中の誤嚥など、日常生活の中の不慮の死。特殊清掃などは行われていない 原則、伝えなくてよい 4(1)①
上の2つでも、亡くなってから長期間発見されなかったこと等に伴い、特殊清掃や大規模リフォーム等が行われた 「伝えなくてよい」の扱いから外れ、4(2)に従う。買主の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は、告げなければならない 4(1)①のただし書き、4(2)
自殺、他殺など、上の自然死・日常生活の中の不慮の死以外の死 4(2)に従う(同上) 4(2)
買主から「何かあったか」と問われた。または、社会的な影響が大きく、買主が把握しておくべき特段の事情があると不動産会社が認識した 発覚からの経過年数や死因に関わらず、調査で分かった点を伝える 4(3)
取引の対象ではない隣の住戸、または買主が日常使わない共用部分で、上の2つ以外の死が起きた、または特殊清掃等が行われた(集合住宅の場合) 原則、伝えなくてよい。ただし、事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案は除く 4(1)③

表の読み方は、次のとおりです。

  • 「自然死だから、何もしていなければ伝えなくてよい」が基本線です。ガイドラインは、その理由として、自然死は居住用の不動産で起こることが当然に予想されること、自宅での死因のうち老衰や病死が約9割(令和元年の人口動態統計)を占める一般的なものであることを挙げています。
  • ただし、発見まで長い時間がかかり、特殊清掃などが行われると、自然死でも「伝えなくてよい」の扱いから外れます。そのうえで実際に伝えるかどうかは、4(2)の「買主の判断に重要な影響を及ぼすと考えられるか」で判断されます。ガイドラインは不動産会社向けなので、不動産会社がこの基準に沿って判断します。
  • 一戸建ての実家では、通常、隣の住戸や共用部分にあたるものはありません。最後の行は、集合住宅(マンション)の実家に限った扱いです。
  • 買主に聞かれたときは、年数や死因に関係なく、分かっていることを答えます。

ガイドラインの「3年」は賃貸だけ

インターネットでは「3年たてば告知は不要」と書かれたページがあります。ガイドラインで「概ね3年」が出てくるのは、賃貸借の取引です(4(1)②)。賃貸借では、自然死・日常生活の中の不慮の死以外の死が起きた場合、または自然死等で特殊清掃等が行われることになった場合に、発覚から概ね3年が過ぎたら、特段の事情がない限り、原則として借主に伝えなくてよいとされています。ただし、事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案は、この限りではありません。

売買の取引については、ガイドラインに、年数で区切る定めがありません。4(1)②の見出しは賃貸借取引だけを対象にしており、売買で特殊清掃等があった場合や、自然死・日常生活の中の不慮の死以外の死の場合は、年数による区切りはなく、4(2)の「買主の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は告げなければならない」という考え方に従います。また、4(3)のとおり、買主から問われたときは、経過した年数に関わらず、調査で分かった点を伝える必要があります。

なお、ガイドラインは、背景の説明で、いわゆる心理的瑕疵(買主が感じる心理的な抵抗感)は時間の経過とともに薄れ、やがて消滅するとした裁判例もある、と書いています。ただし、売買で何年たてば伝えなくてよいかという基準は、ガイドラインにも、確認できた公式ページにもありません。年数が経っている場合も、不動産会社に事実を伝え、判断を仰いでください。

「特殊清掃等」とは

ガイドラインの脚注は、特殊清掃を、孤独死などが発生した住居で、原状回復のために消臭・消毒や清掃を行うサービス、と説明しています(総務省行政評価局の報告書の説明を引いたもの)。本文は、これに「大規模リフォーム等」を加えて、「特殊清掃等」と呼んでいます。

実家で気になるのは、次の点でしょう。

「特殊清掃等」とは
疑問 ガイドラインで確認できること
何日見つからなかったら、特殊清掃等が要る状態か 日数の基準は書かれていない。長期間発見されなかったことなどに伴い、特殊清掃等が行われた場合、という書き方 ※確認中: 発見までの日数の公的な基準
自分で掃除した場合はどうなるか 「特殊清掃等が行われた場合」として書かれており、誰が行ったかの区別は書かれていない。扱いは不動産会社に事実を伝えて確認
業者に頼んだ場合、記録を残すべきか 書かれていない(一般的な注意として、見積書・作業報告書・領収書は保管しておく)

自分で「これは特殊清掃にあたらない」と決めて、不動産会社に伝えないのは避けてください。事実(いつ見つかったか、どの程度の清掃や修繕をしたか)を伝えたうえで、会社に判断してもらうのが、安全です。

特殊清掃や片付けの手順、許可の確認は、次の記事にまとめています。

伝える内容と、伝えなくてよい内容

伝えるときの内容も、ガイドラインに決まりがあります(4(2)、4(4))。

伝える内容と、伝えなくてよい内容
区分 内容
伝える 事案の発生時期(特殊清掃等が行われた場合は発覚時期)、場所、死因(自然死・他殺・自死・事故死などの別。不明なら不明)、特殊清掃等が行われた場合はその旨
伝えなくてよい 亡くなった方の氏名、年齢、住所、家族構成、具体的な死の態様、発見状況
分からないとき 売主に確認して「不明」と回答された、または回答がなかった場合は、その旨を伝えれば足りる
伝え方 後日のトラブルを防ぐため、書面の交付などによることが望ましい

伝えなくてよい内容が決まっているのは、亡くなった方とご家族の名誉と、生活の平穏に配慮するためです。伝え方の基本は「最低限の事実を、書面で」です。相手が必要としていない詳しい状況まで話す必要はありません。

告知書(物件状況等報告書)への書き方

仲介の会社は、売主に、告知書(物件状況等報告書)などの書面に、過去に生じた事案を書くよう求めます。ガイドラインは、主要な不動産関係団体が出している告知書に、事件・事故などの項目が含まれていると説明しています。

書き方の考え方は、次のとおりです。

  1. 知っている事実を、記録に残る形で書く(時期、場所、死因、特殊清掃等の有無)。
  2. 現地を見ていない、見つけた経緯の詳しいことを知らない、というように本当に分からない点は「不明」と書く。ガイドラインは、売主が事案の有無や内容について「不明」と回答した場合、不動産会社はその旨を買主に告げれば足りる、としています(4(2))。知っていることまで「不明」と書くのは避けます。
  3. 書いたものの写しを手元に残す。ガイドラインは、告知書は後日トラブルになったときの証拠資料になり得る、としています。
  4. 記載が適切にできるように、不動産会社に助言を求める。ガイドラインは、不動産会社が売主に、事案を故意に告げなかった場合は民事上の責任を問われる可能性があることを、あらかじめ伝えることが望ましい、としています。

売却の話が進んだあとに、新しい事実(見つかった経緯や、清掃・修繕の内容など)が分かったときは、契約の前でも後でも、すぐに不動産会社へ伝えてください。ガイドラインは、契約後、引き渡しまでに事実を知った場合にも告知義務があるとした裁判例があると、注意を促しています。

売主(相続人)の責任:契約不適合責任と、知りながら黙っていた場合

ガイドラインは不動産会社向けですが、売主が負う民事上の責任は、民法に定めがあります(e-Gov法令検索で確認)。

売主(相続人)の責任:契約不適合責任と、知りながら黙っていた場合
条文 内容
562条〜564条 引き渡された物が、種類・品質・数量について契約の内容に適合しないとき、買主は、追完(修補など。562条)、代金の減額(563条。原則は、相当の期間を定めた追完の催告をしても追完がないとき)を請求できる。損害賠償と契約の解除も妨げられない(564条)
566条 種類・品質の不適合は、買主が知った時から1年以内に売主へ通知しないと、これらの請求ができなくなる。ただし、売主が引き渡しの時に不適合を知り、または重大な過失によって知らなかったときは別
572条 売主が責任を負わない旨の特約をしても、知りながら告げなかった事実については、責任を免れることはできない

読み取れることは、次の2点です。

  • 契約書に「売主は契約不適合責任を負わない」という特約を入れても、知っていたのに伝えなかった事実は、責任を免れません(572条)。572条は、その事実が契約の内容に適合しないとされることが前提の条文です。
  • 人の死に関する事案が、「契約の内容に適合しない」とされるかどうかは、ガイドラインにも条文にも一律の基準はなく、事案ごとの判断です。民事上の責任は、契約の内容などで個別に判断されます(ガイドライン1(2)②)。

実務の結論は、知っていることは、先に、書面で伝えることです。買取会社に売る場合も同じです。伝えなかったことが、あとで争いの種になります。判断に迷うときは、弁護士に相談してください。

ガイドラインに載っていないこと

ガイドラインの結びには、一般的に妥当と整理できるだけの裁判例や取引実務の蓄積がないため、対象にしていないことが書かれています。

ガイドラインに載っていないこと
対象外のこと 実家に当てはめると
人の死が生じた建物が取り壊された場合の土地の取引 解体して更地で売れば告知は不要、とはガイドラインに書かれていない。解体後の扱いは、一般的な基準がない。※確認中: 建物を取り壊した後の土地取引で、人の死をどう伝えるか(不動産会社・弁護士)
搬送先の病院で死亡した場合 自宅から病院へ搬送されたあとに亡くなった場合の扱いは、ガイドラインの対象外。不動産会社に事実を伝えて確認
転落により死亡した場合の、落下を始めた地点の扱い 対象外。不動産会社に事実を伝えて確認

そのほか、価格への影響は、公的な目安を見つけられませんでした。「相場の何割下がる」と書かれたページもありますが、出典が示されていないため、この記事では数字を書きません。※確認中: 人の死があった住宅の価格への影響の公的な統計

県外から進める手順

県外に住む子ども世代が、順番に進める表です。

県外から進める手順
順番 やること 補足
1 警察の手続きと、死亡届を済ませる 警察の調べが終わる前は、部屋の物を動かさない。手順は前出の特殊清掃の記事
2 事実をメモにまとめる 亡くなった時期、場所、原因(分かる範囲)、見つかった経緯、特殊清掃や修繕をした日と内容。見積書・報告書・領収書も保管
3 相続人と名義を確かめる 相続登記の期限と、相続放棄の期限(3か月)を確認。放棄を考えるなら、家財を処分する前に専門家へ
4 冬の管理を決める 雪下ろし、見回り。決められないなら、管理の委託を調べる
5 複数の会社に、最初から事実を伝えて相談する 仲介と買取の両方。伝える内容と書面は前の表のとおり
6 告知書を書き、写しを残す 分からないことは「不明」
7 売り方を決める 次の表で比べる
8 税の特例と期限を確かめる 後の表

売り方を比べる

売り方を比べる
売り方 費用(公式で確認できたもの) 期間 向く場面 注意点
仲介(会社に買主を探してもらう) 報酬の上限は国の告示で決まる。800万円以下の宅地建物は特例で33万円(税込)まで(令和6年7月1日施行)。報酬額は、媒介契約の前に説明を受け、合意する必要がある 公的な目安なし 時間をかけても買い手を探したい 買主に事実を書面で伝える。媒介契約の種類と期間は契約書で確認
買取(会社が買主になる) 公的な目安なし 公的な目安なし 早く手放したい。仲介で決まりにくい 自宅の売却はクーリング・オフができない。引き渡し後の責任の範囲を契約書で確認
解体して土地で売る 解体費の公的な相場は確認できず 公的な目安なし 建物の傷みが大きい 解体後の告知の扱いはガイドラインの対象外。補助は市町村ごと
国に引き渡す(相続土地国庫帰属) 審査手数料14,000円(1筆)。承認後、負担金は基本20万円(宅地は面積に応じて20万円を超える場合がある) 標準処理期間は8か月 建物を解体した後に、売れない土地 建物がある土地は申請できない
相続放棄 収入印紙800円と郵券 相続を知った時から3か月以内に申述 財産全体を引き継がない 実家だけを選んで放棄する手続きは、裁判所の案内では確認できない。処分すると放棄が認められない場合がある(民法921条)

「相場の何割で売れるか」の公的な数字が見つからないため、1社の査定だけで判断しないことが、実家の売却では最も確実な備えです。同じ事実を同じ書面で渡して、複数の会社の条件を比べます。

仲介と買取の違い

仲介は、買主を探すのに時間がかかる代わりに、買主個人に売れる可能性があります。買取は、会社が自分で買主になるため、買い手を探す期間が要りません。買取価格の付け方は、会社ごとに違います。

媒介契約の種類、報酬、再建築不可の確認方法などは、次の記事にあります。

買取会社を選ぶときの確認項目

自宅を不動産業者に売った場合、クーリング・オフはできません(国民生活センター)。長時間の勧誘や、安い価格での契約を迫られた相談例も出ています。次の点を確認してから、契約します。

買取会社を選ぶときの確認項目
確認すること 理由・確認の方法
宅建業の免許があるか 国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、商号や免許行政庁を検索できる。新潟県知事免許の業者名簿は、県庁(建築住宅課、行政庁舎6階)で閲覧でき、時間は平日の9時30分から16時30分。写真とコピーは不可(2019年3月更新のページ)
最初に伝えた事実を、書面に残したか 告知書や、売主から伝えた内容の記録を、写しで手元に置く
価格の内訳と、引き渡しまでの売主の負担 家財の処分、清掃、測量、登記の費用を誰が持つか
引き渡し後の責任の範囲 契約不適合責任の扱いと期間。知りながら告げなかった事実は免責されない(民法572条)
その場で決めないこと 納得できないことがあれば、解決するまで契約しない(国民生活センターの助言)

契約の相談先は、消費者ホットライン「188」です。宅地建物取引業に関する相談は、新潟県建築住宅課の住宅宅地係(025-280-5439)が担当しています。取引トラブルをどこまで扱うかは、県のページに記載がありません。※確認中: 住宅宅地係が受け付ける相談の範囲(新潟県 建築住宅課)

税金と期限

税金と期限
項目 内容 期限
相続登記 相続で不動産を取得したと知った日から3年以内。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象。令和6年4月1日より前に相続が始まった未登記の不動産は、原則として令和9年3月31日まで。取得を知った日が令和6年4月以降なら、その日から3年以内 令和9年(2027年)3月31日、または知った日から3年以内
相続放棄 自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内。3か月で判断できないときは、期間の伸長の申立てができる場合がある(裁判所) 3か月以内
相続税の申告・納税 被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内。申告先は、被相続人の住所地を所轄する税務署。遺産の額が基礎控除額の範囲内なら申告は不要(国税庁) 知った日の翌日から10か月以内
空き家の3,000万円特別控除 昭和56年5月31日以前に建築された家(区分所有でない)。相続の直前に被相続人以外の居住者がいない。家を売る場合は耐震基準を満たす(令和6年以降の売却は、売却後、翌年2月15日までに耐震改修か取り壊しをする形も認められる)。家を取り壊した後の土地を売る形でも使える。相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る。売却代金は1億円以下。相続人が3人以上のときは控除は2,000万円まで 令和9年12月31日までの譲渡。相続開始の3年後の年末と、いずれか早いほう

3,000万円控除は、条件を満たすと使えます。使えるかどうかは、税務署か税理士に確認してください。国税庁のページには、人の死があった家だからという特別な扱いの記載は見当たりませんでした。

相続税の土地の評価については、国税庁の案内(No.4617)に、騒音・日照阻害・臭気・忌み等により取引金額に影響を受けると認められる宅地は、評価額から一定の額(その部分の価額の10%)を差し引く取扱いがあります。ただし、このページには、人の死や事件に関する記述はありません。実家の土地がこの取扱いに当てはまるかは、税務署か税理士に確認してください。相続した不動産の税の扱いは、次の記事にあります。

相続放棄を考えているとき

相続放棄をすると、被相続人の権利と義務を引き継ぎません。実家の売却を考えているなら、放棄の判断より先に、家財や不動産を処分しないことが大切です。民法921条は、相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなすと定めています(保存行為などは除かれます)。家財の片付けや特殊清掃が「処分」にあたるかは、個別の判断です。

放棄の可能性が少しでもあるなら、片付けを始める前に、専門家へ相談してください。

相談窓口(新潟)

相談窓口(新潟)
相談したいこと 窓口 公式に確認できたこと
不動産の売買の相談 新潟県宅地建物取引業協会(025-247-1177) 無料相談、要予約、平日9時〜17時。第1木曜は上越会場、第2・4木曜は新潟会場、第3木曜は長岡会場(県の空き家相談窓口のページ、2023年7月4日更新)
同上 全日本不動産協会 新潟県本部(025-385-7719) 平日9時〜17時。相談日・費用は県のページに記載なし
宅地建物取引業に関する相談 新潟県 建築住宅課 住宅宅地係(025-280-5439) 「不動産業のうち宅地建物取引業等に関すること」の担当(県のページ、2025年9月4日更新)。取引トラブルの扱いは記載なし
相続登記、書類 新潟県司法書士会 相続登記相談センター(0120-13-7832) 平日10〜12時、13〜16時。相談は無料。面談は毎週水曜の午後、予約制
法律問題、売主の責任 新潟県弁護士会(025-222-5533) 法律相談料は原則30分5,500円(税込)。内容や資力によっては無料のことがある
契約トラブル 消費者ホットライン 188 最寄りの消費生活センターにつながる

宅建協会の曜日と会場は、2023年7月更新のページの記載です。最新の予約状況は、協会で確認してください。当サイトは、不動産会社や士業を紹介して、紹介料や報酬を受け取ることはありません。

孤独死のあった新潟の実家の売却のよくある質問

Q. 自然死なら、何もしなくても告知は不要ですか?

ガイドラインでは、自然死と日常生活の中の不慮の死は、特殊清掃や大規模リフォームなどが行われていなければ、原則として買主に伝えなくてよいとされています。ただし、買主から事案の有無を問われたときは、経過年数や死因に関係なく、分かっていることを伝える必要があります。

Q. 見つかるまでに時間がかかり、特殊清掃をしました。売れますか?

売ること自体は可能です。特殊清掃等が行われた場合は、「伝えなくてよい」の扱いから外れ、4(2)に従います。買主の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は、発生時期(発覚時期)、場所、死因、特殊清掃等を行ったことを、書面で伝えます。氏名や発見の詳しい状況まで話す必要はありません。

Q. 3年たてば、告知しなくてよいのではありませんか?

ガイドラインの「概ね3年」は、賃貸借の取引についての定めです。売買には、同じ年数の定めがありません。買主から問われたときは、経過した年数に関わらず、分かっていることを答える必要があります(4(3))。売るときは、不動産会社に事実を伝えて、判断してもらってください。

Q. 家を解体して更地にすれば、告知はいりませんか?

ガイドラインは、人の死が生じた建物を取り壊した後の土地取引を、対象にしていません。「更地なら不要」とは書かれていません。解体した後の扱いは、不動産会社か弁護士に確認してください。

Q. 買取会社に売るなら、事情を話さなくてもよいですか?

買取会社に売る場合も、売主は、把握している事実を買主側に告知する必要があるとされています(ガイドラインの背景の説明)。特約で契約不適合責任を負わないとしても、知りながら告げなかった事実の責任は免れません(民法572条)。最初に、書面で伝えてください。

Q. 近所の人が知っているのですが、買主に聞かれたらどう答えますか?

聞かれたときは、年数や死因に関係なく、分かっていることを答える必要があります(ガイドライン4(3))。ガイドラインの背景の説明には、過去の裁判例が、近隣住民への知れ渡り方も考えて告知義務の有無を判断してきた、とあります。聞かれる前に、書面で伝えておくほうが、あとのトラブルを避けられます。

Q. 相続放棄をしても、家の管理はしなければなりませんか?

放棄の時に、相続財産に属する財産を現に占有しているときは、引き渡すまで保存する義務があります(民法940条)。管理の範囲は個別の判断です。専門家に相談してください。

Q. 価格は、どのくらい下がりますか?

公的な目安は、見つかりませんでした。複数の会社の査定を、同じ事実を伝えて取り、比べてください。

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出典

確認日はすべて2026年10月12日です。

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